早稲田大学 軟式庭球部(ソフトテニス) 小林 奈央選手
早稲田大学 軟式庭球部(ソフトテニス)
小林 奈央選手 インタビュー

「天性の才能」という言葉があてはまる人々が、数少ないが存在する。
小林奈央は、その稀有な人々の1人である。大学の監督、小野寺剛は、小林のリストやプレイの柔らかさ、そしてシャープかつ緩急の効いたフットワークを「10年に1人の逸材」と絶賛。しなやかなプレイぶりは中学時代から傑出していて、尽誠学園高校3年時には史上最年少で日本代表入りを果たす。早稲田大学入学後は、ダブルスではインカレ3連覇、今年はシングルスも制し単複2冠、アジアでの国際大会ではミックスダブルス2連覇など、堂々たる女王ぶりを示している。
しかし、素顔の小林は、休日には甘いもの巡りをし、将来は看護士になるのが夢という、控えめで可愛らしい、普通の女子大生だ。このマイルドさのどこに、日本を、アジアを制す闘志が秘められているのだろう?そんなことを胸に、話を聞いた。

取材日:2014年8月22日

―インカレが終了したばかり。感想、良かった点、反省点などを聞かせてください。
団体戦は決勝まで行ったが、やはり攻め切ることが出来ず、最終的には焦って負けてしまったのが凄く悔しい。もうちょっとあそこで攻めていけてたら勝ててたんじゃないかと。
でも、次の日のダブルスとシングルスでは、その悔しさからしっかり自分たちのやることをやって、攻めて優勝することができたので、そこは良かったかなと思います。
―故障のほうはどうでしょうか。
今もまだ完治はしていなくて…。
かばいながら続けているが、でも、インカレを目標にしていたので、何とかできて良かった。
―数か所の故障も経験したんでしたよね。
はい、今は後ろのあばら骨が悪い。
4月にナショナルチームの合宿があって、そのときに折れてしまったものがまだ治りきれていないんです。
―今年の早稲田軟式テニス部としては、どんな感触ですか。
やはり日本一を狙える大学だと思うし、みな1人1人力を持っていて、また和気あいあいとしているので、練習していても楽しいです。
―そんな中で、小林選手はやはりリーダー格なのですか?
うーん…。自分はそんな、リーダー的にみんなを引っ張っていくタイプではないので、プレイで引っ張っていけたらいいなと思っている。
―個人的目標は?
9月末からアジア競技大会があるので、しっかり金メダルを取って帰れるように頑張りたい。
―具体的な練習方法など。故障に合わせて変更を加えた部分もある?
やはり、故障してないときに比べて落としている。あとは、下半身のトレーニングを少し多めに。
―ボールを持たないトレーニング?
はい。走ったり、体幹トレーニングなど。一人で、個人的にやっている。
―練習の休みはあるの?
はい、月曜日は休みだから、しっかり体を休めるようにしている。そんなに遊びには行かず、家でゴロゴロしてます(笑)。
甘いものが好きなので、最近はハワイからパンケーキのお店が来たとか、そういうのがよくあるので、いろんなところを探して食べに行ったりはしている。
―監督が、やはり小林選手は類まれな素質があると褒めていましたが、どのようにその才能を磨いてきたのですか?
え――(照)…。気がついたら…(笑)。自分でもそんなに分からないんですよ(笑)。
―テニスを始めたきっかけは?
小学校1年のとき。母もテニスをやっていて、近くのジュニアに行ってみないかということで、行ってみたのがきっかけ。
―もう10年以上、テニス人生ですね。辞めたいと思ったことなどはあるの?
ああ、それはもう、何度も(笑)。ジュニアのときから毎日練習があって、他の子はみんな遊んでいるのに自分だけなかなか遊べなかったから、もっと遊びたいと思ったり…。
あとは、ペアの先輩が、前年度全国大会で優勝していたので、そのプレッシャーとか…。いろいろ辛いこともあり、何度もやめたいと思いました。
―なるほど…。そんなときも乗り越えてここまで来たわけですね。
テニス選手として自分の一番の武器とは、何だと考えていますか?
うーん…。何でも出来ること。一つのことに徹底するのではなく、いろんな引き出しを持ってるところが、自分のいいところかなと思う。
―現在の課題はなんでしょう?
バックハンドがあまり得意ではなく、どうしても攻めるというよりつないでしまうようなプレイになってしまうので、バックでもしっかり、フォアと同じように攻めていけるように、練習していきたいと思う。
―国内、国外に関わらず、一番のライバルを上げるとすると?
小学生のころからずっと、同じような立場に立ってやってきているのが、ナガセケンコーの横山温香さん。
同じ年でもあって、お互いに切磋琢磨しながらやってきている。仲良しでもあります。
―最終目標は?
まだ皇后杯で優勝できてないので、それを取れるように…。世界大会では、ダブルスと団体と両方出るので、優勝できるように頑張りたい。
―まだまだイメージできないと思いますが、現役を引退した後は、指導者になってみたいというような目標はある?
あ、いや、それはないです(笑)。引退したら、看護士になりたい。
―あ、そうなの!(笑)。それは、いつごろから抱いている夢なのですか?
もう小学校くらいから。姉も看護士なので、憧れて。
―小林選手に憧れている全国の後輩たちに、アドバイス、メッセージをお願いします。
いろんなことに挑戦して、どんどん自分の持ってる力を引きだしていけば、もっとテニスの幅も広がると思う。
いろんなことができるようになると、今まで以上に楽しくできるのではないかなと思う。

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