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トップ指導者&選手特集

川野 一道 & 川野 成道 監督
 
川野 一道監督
川野 成道監督 インタビュー

兄は、クールなようで陽気、意地と気遣い。
弟は、人懐こいようで豪気、謙虚な闘争心。
柔道界の「最強ブラザース」は、お互いの個性を絶妙に引き立て合っている。
川野一道監督と、成道監督の兄弟は、かの川野一成を父に持ち、まるで呼吸をするかのように柔道の世界に入っていった。そして現在は共に、一流指導者への道を歩んでいる。
兄の一道は、岡山の作陽高校を飛躍させるために全力で取り組む。
そして弟の成道は、父のあとを継ぎ名門国士舘を率いて、日本一を邁進する。
一見、柔道家には見えない、ファンキーなフレーバーも感じさせる兄と、少しシャイで、武道家らしい風貌の弟。タイプの違う二人だが、共に卓越した柔道家であり、なんといっても仲が良く、お互いを尊敬し合っている関係が、はたから見ていると素晴らしくうらやましい。
まるで映画か漫画に出てくる柔道ヒーローのようだな…と思いながら、二人の兄弟愛も存分に感じながら、明日の柔道界を背負って立っている若獅子の熱いトークを堪能した。

※一道先生はラジオDJもこなす!!
先生の番組情報は:http://sakuyo.3zoku.com/j-road.html

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取材日:2014年12月24日

―さて、まずは最強ブラザースが柔道の世界に入ったきっかけから、教えてください。
K:父親が国士舘で柔道をやっていたから自然に…。初めて歩いた場所が柔道場、みたいな感じ。気づいたらやっていた。でも、俺は結構早くから始めたけど、こいつ(弟:成道先生)は割と嫌がっていた(笑)。
N:僕も3歳くらいから一応柔道着を着てたんですけど、あまり好きじゃなかった(笑)。
K:あのね、僕は凄いまじめだったんですけど、こいつはめちゃくちゃ、悪かったんです(笑)。
ちっちゃいころは。
N:僕はもう、「道場行きたくない!」って言って、柱にしがみついてた。
―お兄さんのほうは、柔道は好きだったんですか?
K:好きっていうか、いつのまにやらやっていた…物心ついたときから。
何歳かっていうのも分からない感じ。
N:だから、兄貴のほうが小学校のときは強かった。いろんな試合で優勝したり。
僕は嫌々だったので、全然ダメ。
―お二人は、どんなタイプの選手だったのでしょうか。
N:それは聞いちゃダメでしょ…!(笑)
―あれ、何でですか!?(笑)。
K:いや、あのね(笑)。ほんと、冗談抜きで、僕は自分のスタイルを語るような強い選手ではなかったんです。だけど、物凄く勝負にこだわりました。異常なほどの負けず嫌い。
たとえば、団体戦に使ってもらうときも、自分の役割は、っていうと、得点を挙げることじゃなくて、とにかく向こうの一番強い奴を絶対止めてやる、と(笑)。
昔は僅差判定というのがあったんだけど、僕は最初から相手を投げるということができなかったので、僅差でも反則でもなんでもいいから(笑)、とにかく勝つ!という感じでやってきた。だから、僕の同期のあるオリンピック金メダリストと話をしてて、僕は、「生徒に僕の柔道はあまり教えたくないな」と言ったんですね。どっちかというと卑怯だから(笑)。でも、そいつが言ってくれたのは、「いや、お前の柔道は教えたほうがいい」。勝負に対して最後まであきらめない、自分の能力を最大限に発揮していくというスタンスは伝えたほうがいいからと。かっこいい、美しい柔道では全然ない。とにかく「負けない」柔道(笑)。
―いいですねえ…。成道先生は、また対照的?
N:自分も、胸を張って言えるようなスタイルとかないですけど…。兄と負けず嫌いは共通してると思う。
ただ、僕はどちらかというと、はい、投げにいく柔道でしたね。とにかく投げに行って、よく返されて負けてましたけど(笑)。
―現役はいつまで?
K:僕は、大学卒業と同時に終わりました。
N:僕も同じくです。
―そのきっぱり感は(笑)?
K:僕はね、そのときもう、柔道は嫌だったんですよ。柔道の指導者になるのも嫌だったし、柔道から離れたかった。僕の夢は、学校の先生だったんですが、大学の後半ぐらいから結構遊んじゃって(笑)。
外に外に気持ちが行っていたし、親父に対するコンプレックスもあった。なので、俺は普通の先生になりたい、国士舘に残って、っていうのは絶対嫌だと…。で、普通に採用試験を受けて、公立中学の先生をやっていた。
―その公立中にいたときは何か部活などの顧問は?
K:バスケを教えてました(笑)。柔道の先生はやらない、って思ってた。
―なるほど。そこから柔道に戻ったきっかけは?
K:九州へ行ったんですが、ちょっと悪い中学校でね(笑)。そのときに、いったん柔道から離れて見てみたら、柔道って凄いなって分かって来て。それと、自分の同級生とか後輩とかが活躍してるのを見て、「やはり自分ももう1回柔道をやりたいな」と気持ちが揺さぶられた。
そのタイミングで、高校のほうから、柔道のコーチの話があって。完全に柔道から離れてみて初めて、「やっぱり柔道が好きだったんだな」ということが分かったんです。
―成道先生は。
N:僕は、中学に入ってから柔道が好きになった。結果もそこそこ出していたんですけど、ほんとは逆で、自分が地方の学校へ行って、兄貴が国士舘をやるもんだと思ってたんですね。でも、(兄貴は)いきなりいなくなっちゃったからね(笑)。
僕が国士舘を絶対やらなきゃいけない、ってこともなかったんですけど、でも自分の中で、なんとなく引かれたレールが分かってたところもあって。「親父が国士舘やっているし」って常に思っていたし、継いでいかないといけないものもあるのかな、って…。そのときに、やはり国士舘でやるのなら、現役もやっている余裕なんてなかった。ここでは、死ぬ気で生徒の面倒見ないと、と…。やはり、他の学校さんとは違うところがある。現役にも未練がないことはなかったけど、国士舘に入るのなら、指導者に専念しようと。
―お二人が感じている、柔道の醍醐味。
K:柔道を続けてきて良かったのは、でっかい意味で言うと、みんなが1つの仲間ということ。弟とは、敵チームの中学校の先生という立場だが、大きなくくりで言えばやっぱり一緒に柔道を指導している仲間という意識。ライバルでもあり、仲間でもある。僕なんか、全然知らなかった九州や今の岡山に来たわけだけど、やっぱり柔道があるおかげで、いろんな人に支えてもらってるし、いろんな人とつながっていける。僕は、気持ちがあまり強いほうじゃなくて、フラフラしやすいんだけど(笑)、柔道をやっているおかげで、1つのことをぶれないでやれるというか…。柔道があるおかげで、横道にそれずにやってこれた。
競技性としては、やはり取っ組み合いとは違うということ。技、メンタルをうまく鍛えたりすることで、自分よりも大きな相手を投げることができたりなどの芸術性もある。今、こういう時代だから、人間と人間が取っ組み合うということはなかなかないでしょ?そんな中で、正々堂々と畳の上で取っ組み合うことができるので…。相手を投げたり、相手に投げられたり、そんなところが、柔道の魅力の1つじゃないかな。
N:僕は、メンタル面で言えば、兄貴と全く一緒。精神面の魅力は、柔道を通して、何かを得なさいと言っている。やはり礼儀作法、言葉遣い…。日本の武道というのはやはり特殊で、武道でしか教えられないことがあると思うんですね。畳の上で正座をするのも、柔道独特のこと。たとえば、正座をするのって、今の子供たちにとっては「怒られる」ってイメージしかないんですね。でも、実際は正座っていうのはそうじゃなくて、日本の素晴らしい文化だよ、って教えてあげる。柔道着だって、元々は着物から。そういう、伝統文化も学べるのが、柔道の魅力の1つだと思う。それを伝えていければいいなと思うし、柔道を通して、人間的に成長していってもらいたい。
競技としては、スパンと投げる、きれいな技で1本取る、っていうのが大きな魅力だとは思うんですが、熱く戦ったあとに、きちんと礼をする、そんなところも隠れた魅力かなと…。
―指導理念、指導スタイルなどは?
K:僕は、ぶっちゃけると、柔道強くなってくれなくてもいい(笑)。日本の柔道界を背負って立つ人間ではなく、日本自体を背負っていけるような人物になってほしいんです。「人間力」をつけないといけない。とにかく夢を見つけて、夢を追えと。そのことで、人間って強くなると思ってる。その中で、人を思いやる気持ち、チームワークが生まれると思ってるし…。夢を追わせてあげるのが、僕ら大人の役割かと。今はこんなふうに冷めた世の中で、頑張りにくい環境。そんな中で、頑張れる力を持った子に育ててあげたい。
柔道も社会の縮図。みながみな、オリンピックを狙える選手じゃない。うちなんかは、初めてインターハイで準優勝した時のメンバーも、5人のうち4人は中学の時全国大会にも出れてない。あとの1人は、まったくの素人だったんです。そういう子たちに、不可能で終わらせるのではなく、「どこまででも行けるんだ」って教えてあげる。「絶対にあきらめちゃだめなんだ」って。僕が作陽に行ったときは、岡山県でベスト16くらいだった。そのときに、全国だって言ったって、誰も相手にしてくれなかった(笑)、でも、子供たちに言ってたのは、「可能性は限りなく0に近いけど、0じゃないからな」って。「1%でも可能性があるなら、そこにすべて賭けろ」と。0と1の違いって、凄く大きいと思うんです。0はいくらかけても0、でも1は、100かけたら100になるからね。じゃあ、1を0にしないためにはどうしたらいいのかというと、あきらめない限り1%だと教える。それは繰り返し生徒に言って聞かせている。
作陽は凄い田舎でね、スカウトしてもあまりいい選手も来ないし、日本一になれない理由はいくらでもある。でも、それを口にするなと。だからこそやる意味があるんだ、だから人が感動するんだぞというふうに持ってきた。自分ができる最高のことで、最後までかじりついてやれというのが、うちの指導理念です。
―実際のトレーニングでは、どの部分を重視したのですか?
体幹ですね。うちは異常に体幹を鍛える。60kg~70kgくらいの子に、130kgの子を背負わせて、山道を登らせたり下らせたり。
あとはやはり、飯を食わせます(笑)。食い力をつけさせる。だから、66kgくらいの子が入学してきても、卒業時には100kgになってる。きついトレーニングをやらせながら、とにかく食わせる。
―柔道選手としての体を作るのに、有効な食べ物というのはあるのでしょうか?
今はプロテインもありますからね…やはりタンパク質ですか。まあでも、太らせるためには炭水化物も必要だし…。バランスよく。
―成道先生のほうは、かたや全国的な名門校で、良い選手が続々と集まってくるイメージですが…
N:それがそうでもないんです。今は学業のほうも重視で、非常に敷居が高い。お受験に受からないと、柔道推薦だけでは入れない。人数はたくさん来るのですが、決してレベルが高いわけではない。まあ、そうは言っても国士舘ですから、そこそこの子たちは…。それを考えると、兄貴はやっぱり、もっと底辺から始めているので、凄いなと思う。
指導理念としては、いい意味で、「国士舘」の名前を使わせてもらってる。伝統校なので、だからこそ頑張らないといけないんだよと、よく生徒には言いいます。そしてそれが、意外に効いてるんですよね…。今回、夏に全国優勝したメンバーなんかは、それこそ最初は凄く小さくて弱かったんだけど、「俺たちは国士舘だから」っていうのが効いた。そしてそれは、勝負だけではなくてね、国士舘の柔道部たるもの、良き柔道家であるだけではなく、良き人間じゃなきゃいけないって。誇りを持ちなさいと。偉そうにするのではなくてね。誰に聞かれても、「自分は国士舘の柔道部です」って胸を張って言えるような人間になれと、指導している。なんだかんだ、やはりうちは、「ああ、国士舘だ」って見られます。負けることは恥ずかしくないけど、トイレのスリッパを揃えろとかね。言葉遣い、挨拶…。技術的なことよりもそっちを、凄く厳しく教えている。そこがしっかりすることによって、柔道も強くなるはずと信じてます。精神的成長が、柔道の成長に凄くつながってくる。
K:人間力が総合して高まった者が勝ち。
―「道」のものですものね…。トレーニング面では。成道先生は。
N:僕はもう、ほんとにオーソドックス。兄は、勝つためのテクニックなどを凄く教えてると思うけど、僕の場合は、特に中学生だしね、難しいことを言っても分からないし…。分かりやすく、基本的なこと。それを重点的に。教え方も、「がばっと組んで、がばっとかけろ」みたいな、シンプルな感じで。
K:こいつは擬音語が多いの(笑)。
N:そうそう(笑)。素人が聞いても分かるようなことを教えているだけ。
K:僕はでも、こいつが中学で育てた選手を欲しいですよ。凄く伸ばしやすい。
N:本音は、2人でやりたいんです。僕が中学、兄貴が高校、なんて受け継いで…よく、酒の席なんかではそんな話をするんだけど、でも、実現は難しいかなあ。1年に1回、自分の生徒たちを兄貴の作陽に連れていくんです。兄貴の練習を見せにね。
―最強ブラザース、ですよね…。うらやましい。
さて、最後に、全国の指導者、また競技者に向けて、お二人のアドバイスをお願いできますか?
K:指導者の方々へは、自分なんかはまだ偉そうに言えないんですが…。これからチームを作っていこうとしている皆さんへは、たとえばうちに来て負けたとして、「いや先生、どうやったらうまくなるんですか」って、自分に聞くなと(笑)。
俺は、若いときに、自分がやられたときは、相手の先生がどんなに偉い先生でも、絶対に聞きにいったりはしなかった(笑)。くやしくって。…。まあ、何をやっても、どれが正解か分からない、若い先生たちも、「何が正しいのか分からない」という先生方は多い。だから、そういう方々に言いたいのは、自分がやることにまず信念を持ったら、それを信じてついてきてくれる生徒を作れ、ということですかね。だから自分も、生徒たちには「俺がやってることは、これ正しいかどうか分からない。でも、俺はお前らに命を賭けるから、お前らも命がけで俺についてきてくれ。間違ったときは俺が責任を取るから、俺を信じてくれ」と言って、我慢してついてきてくれる生徒を作る。でね、AとBとCという選択肢があって、全部間違っていたとしても、生徒が本気でこれって信じたことをやれば、それが正解になっちゃうんです。自分についてきてもらうために、俺は、生徒とずっと一緒にいました。飯を食うのも寝るのもお風呂も一緒。めちゃくちゃ怒ったその足で車に乗せて、飯に連れて行ったりとか、とにかく1分1秒でも長く生徒と一緒にいる。生徒のいいところも悪いところも、全部見てやる。人間同士は、そんなに簡単には信頼関係はできないものだと思ってるから、生徒にも言うんです、「俺はお前らをギリギリまで信用しないからな」と(笑)。
逆に、最後には、「俺は世界で一番、お前を見て来た」って言ってやりたいから。だから、お前を今強くするためには、これが必要なんだ、信じてついてこい、って言ってやれるくらいの気迫が必要だと思う。
一言で言えば、「情熱」ですよね。まじめ、情熱、あとは、「翼を持ってるかどうか」。カリスマ性です。
N:僕は、そういう意味では、兄貴と正反対かも…。僕、ほんとに、この世の中に尊敬する人っていないんですが、兄貴のことだけは尊敬してるんです。凄く仲がいいし、「兄貴はやっぱり凄いな」っていつも思ってる。有言実行。ただ、兄貴と僕の違うところは…。国士舘に入って、中体連の指導者の中で、僕はダントツに若いんですね。全国で優勝を狙う先生方は、みんな僕よりも10歳、20歳年上の先生ばかり。だからね、生徒には、「俺は自信はないから」って言ってる(笑)。「技術的なことに自信はない、俺は現役のときに強かったわけでもないし、センスがあったわけでもないし。俺のやり方は、お前たちのために、いろんな先生方や、自分より上手い人たちに技を聞いてくる、それをお前らに教えてあげる」と、わざと言うんです。なぜなら、もし俺がね、自分よがりで偉そうにしてたり、「俺についてくれば間違いはない」ってやっていると、子供たちは絶対に失敗するんです。
自分のエゴだけで子供たちを教えていてはダメ。実際、1回意地になって失敗したこともあるから。そのときに気づいたんですね、「俺は何もできないんだ」と。国士舘の先生だけど、何もできないから、周りを頼ろうって。プライドは捨てて、教えてくれる人にはどんどん聞こう、と。「しかし、経験も足りない俺が唯一他の先生方に負けないのは、「お前たちのことをわかろうとする気持ち」。これは、他の先生方に負ける気は絶対しない」って言ってます…。そんな風に自分をさらけ出したのが、結果的に良かったみたい。国士舘の指導者だからといって、俺が偉そうにしてたら、たぶんうまくいってなかったと思う。対人間だから、自分がどこまで下がれるかと思えたのが、僕自身には良かったです。
―なんだか、謙虚な先生というか…。
K:弟は、僕の見えてないものが見えてる。日本一を経験してるからね。一度日本一になったことがある監督と、一回もなったことがない監督とはね、すっごーーーい差がある。余裕、自信…。僕なんかは、まだ謙虚になんかなれないですもん(笑)。謙虚になれるってのは、僕は自信だと思う。
―うーん、深いなあ。。さて、それでは、生徒、競技者に向けてのアドバイスを。
K:個人差はあるけど、僕はね、何でもポジティブ思考な奴って嫌いなんです(笑)。なんとかなるさってのは…。基本的にはポジティブでいいんですが、ときにはネガティブになってもいいと思う。悩んで、俺、失敗したらどうしよう、とか…真剣に悩むことによって、やはり努力しますよね。怖いし。悩むべき時、負けたときとか、「まあ、次は勝てるからいいや」じゃなくて(笑)、「また負けたらどうしよう」って、考えたほうがいいと思うんですね。そのために努力するから。あと、よくね、指導者の中には、「短所はいいから長所を伸ばせ」っていう人、多いですけど、僕はこれ、全否定。長所ってのは、ちょっとおだててやれば、いつでも結構すぐ伸びる。僕は「短所を消しなさい」って言うの。それって大変なんです。嫌なことをやるから、どんどん自信も無くなってくるしね。でも、僕はそこをこだわってやったほうがいいと思う。なんでかっていうと、長所だけにこだわってどんどん伸ばしていくだけでは、短所は消えないから。そうすると、一番自分が大事なときに、そこが必ず出ちゃう。なんか知らないけど、一番大事なときに、一番苦手なタイプの相手と当たったりする…人生ってそんなもんなんです。だから、怖いから、短所を消せと。あとは、いきなり焦らないこと。いきなり焦る子は、いきなりあきらめる(笑)。一歩一歩でいいから、積み重ねる。確実に1度、一歩、欲張らずに、でも着実に努力を重ねていくことが大事です。
N:先生の言うことを全て聞くな、と言います。自分なんかは、1か2しか教えない、あとの8は自分で考えろと。よく、凄くいい子って、先生の言うことをよーく聞いて、それを全部やろうとするんだけど…それがいいこともあるんだけど、でも僕は、柔道って格闘技だから、いい子なだけじゃだめだと思うんです。ちょっとした反発心。先生にはこういうことを教わってるけど、俺はこういうふうにやるんだ、とかね。だから、生徒にはよく、「お前はどう思うんだ?」って聞くんですね。で、自分と違うことを言えば、「じゃあ、そうやってやってみれば?」って。自分で考えることは凄く大事。現状を打破するために。よくね、負けたときとか、慰めてくれる人もいるだろうけど、俺はそういうことしないよ、って。「自分で這い上がって来なさい」と言う。自分で上がれなかったら、強くなんかなれないんだぞって。強くなるためには、己の力を知って、何が足りないか、どんな努力をしなければならないかを考えて目標を立てる。何でも人の言うままにやる、それではダメだと思う。

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