スマートフォン版に切り替える

MLB 2014 ジータ―引退、ホーム最終4連戦に密着

デレク・ジーター引退の日

2014年9月25日、NYはブロンクスの灯が、また一つ消えていく。
サブウェイの音が鳴り響く高架下をくぐり、目にも鮮やかな緑のスタジアムに入ると、そこにはいつも、その緑をひときわ輝かせるような白い歯で静かに微笑んでいる男がいた。「背番号2番~…」のアナウンスにスタンドが湧き、登場すれば球場の隅々まで照らし渡すようなオーラを放つ。95年のデビュー以来、ニューヨーカーが頼り続け、愛し続けたスーパー・スターが今、ピンストライプを脱ごうとしている。

「デレク・ジーター」、彼の名前を知らないアメリカ人などまずいないであろう、国民的ヒーロー。デビュー年には新人王、ワールドシリーズ制覇5回、MVP受賞、ゴールド・グラブ、オールスター選出実に14回…彼が身につけてきた背番号2は永久欠番になるし、殿堂入りも間違いない。
また、選手としての偉大さはもちろん、甘いルックスで女性ファンにも常に一番人気の大リーガーだった。スタイリッシュな服装で「GQ誌」の表紙を飾っては売り切れ、マライヤ・キャリーやジェシカ・アルバ、ミンカ・ケリーなど大物セレブたちと次から次へと浮名を流しては、華やかな話題も振りまいてきた。

反面、「男が男惚れ」するリーダーとしての評価も高く、松井秀喜氏が現役時代、実によく面倒を見てもらい、彼を尊敬し慕っていることは既に有名な話。ジーターは常に、マイナー上がりの無名新人にも目を配り、自分から声をかけ、面倒を見る。「ニューヨーカーの魂」とも称される名門ヤンキースのキャプテンとして、その人間的大きさからも尊敬されてきた男なのである。

そんな彼の華やかなシグネチャー・プレイ、「ジャンピング・スロー」ももう、見れなくなる…。ポサダ、リベラ、ペティートに続き、ジーターが引退することで、これでデビュー以来ヤンキース一筋のいわゆる「生え抜き」選手は、誰一人いなくなることになる。筆者が愛した「ヤンキース」は消滅する…。その日が来ることは限りなく寂しく切ないが、偉大な「Mr.ニューヨーク」の姿をしっかり目に焼き付けるべく、瞬間瞬間を切り取り、お伝えしていきたいと思う。

ジーターがユニフォームを脱いだ日 (2014/10/01)

撮影:田口有史9月28日、日曜日、午後2時25分。
数限りない思い出がしみついた、宿敵の球場で、デレク・ジーターは微笑みながらその野球選手人生に幕を閉じた。
これまでは常に大ブーイングを浴びて来た、ボストン・レッドソックスのフェンウェイパーク。しかし、この日ばかりは勝手が違った。今、ユニフォームを脱ごうとしている偉大な敵将に対し、ボストンのファンたちからも敬意と称賛が降り注ぐ。打席に立てば、スタンディング・オベーション。彼に対するメッセージを書いたボードも、スタンド各所に花を咲かせていた。
3回表、ヤンキースの攻撃。3塁にはイチロー、ジーターはこの日の2打席目を迎えた。ジラルディ監督にはあらかじめ、「2打席プレイしたい。そして、ヒットを1本打てたら最高だ」と伝えてあった。フェンウェイでの最後の3連戦には、指名打者としてのみの出場。自身のバットによるサヨナラ勝ちという、これ以上はあり得ないホーム最終戦での思い出を大事にしたいと、「遊撃手」としては既に引退を表明していたからだ。
「指名打者」ジーターは、2ストライクから次のストレートを3塁前へ。打球はラフ・バウンド、その間にイチローが生還し、自身も1塁を踏んだ―――RBIシングル(安打、打点1)―――これが、野球史にその名を刻む華やかなスーパー・スターの、最後の記録だった。ダグアウトでは、ジラルディ監督が「本当にこれで終わりでいいのか?」という確認のジェスチャーを、ジーターに向かって繰り返している。それを認めると、穏やかに微笑みながら、ゆっくり頷くジーター…。そして、代走が送られた。
スタンドからは、大歓声と共に、「デーレク・ジーター!」とジーター・コールが湧き起こる。かつて激しい戦いを繰り広げたライバルたち―――オルティスやペドロイアも、レッドソックスのダグアウトから止まない拍手を送っている。ジーターは、敵地からの愛情を存分に浴びながら、終始スマイルを浮かべて、フィールドを降りて行った。ヤンキースタジアムでのように、フィールドにしゃがみこんで泣いたりは、もうしなかった。今までの20年間と変わらぬ、穏やかでクールなジーターだった―――これが、プロとして最後の瞬間なのだということを、もう受け入れることができていたのである。

この日の試合前、ヤンキースは、打撃練習を行った。通常、日曜日には休みになることが多いBPだが、この日はキャプテン・ジーターのリクエストだった。彼は、最後に、チームメートとの練習、ルーティーンを堪能したかったのである。冗談を言い合いながら、じゃれあいながらの、アットホームであたたかいBP―――いつもと変わらぬ、いつもの光景。しかし、ジーターには、これを最後にもう二度と訪れることのない時間だった。
「クラッチ」として名を馳せたジーターは、最終的に通算3465安打。あと1本で、18シーズン150本以上安打、歴代1位タイという記録に迫っていたが、彼にとって個人記録はあまり重要でないのだった。「その記録では、ハンク・アーロンとタイだということで、僕はもう満足だよ」。現監督のジラルディ、そして恩師とも戦友とも言える、前監督のジョー・トーリ、2人ともが、ジーターについてほぼ似たようなことを言う―――「デレクが気にするのは、チームの勝利だけだ。彼は、個人の記録などは眼中にないらしい。彼のような選手は見たことがないよ。若いときから、絶大な才能と人気に恵まれながら、奢ったところが全然ないんだ。思い上がることなく、常に努力し続ける。そして、大スターでありながら、無名の新人にでも、いつも自分から気さくに声をかけ、面倒を見る。『この人なら、いつも自分を見ていてくれる。本当に頼れる人なんだ』って、みんなに思われる。真のキャプテンであり、プロフェッショナルだった」

素晴らしい野球選手であることはもちろん、素晴らしい人間との評価も高かったジーター。オルティスをして「NYの顔」と言わしめたヒーローが今、本当に、野球にサヨナラを告げた。記録だけでなく、人々の「記憶」に残る野球人―――彼のような大リーガーは、もう二度と現れないだろう。唯一無二の、我らがキャプテン。その勇姿を、フィールドで見ることは、もう無いのだ。限りなく、限りなく寂しいが、今はただ、「お疲れさま」、そう声をかけるしか、ないのだろう。最高の敬意を表し、「感動の20年間を、ありがとう」と―――。そしてジーターからも、すべてのベースボール・ラバーへ、残した言葉がある。

「僕は、自分がやりたいと思っていたただ1つのことで、身を立てることができた。多くの人々が実現できることではないだろう。それもすべて、皆さんのおかげだ。ありがとう。皆さんのおかげで、僕はこの20年間、大いに感動し、楽しむことができた。感謝しています」

―――デレク・ジーター

松井秀喜&CC・サバシア ジーターについて (2014/9/29)

取材日:2014年9月27日

撮影:田口有史
<松井 ON JETER>
ありがとう、引退おめでとう。これからの未来にも、多くの幸あることを祈っています。
<CC・サバシア ON JETER>
彼は、僕が共にプレイした選手の中で最高のプレーヤーのひとりだよ。ここで彼を送り出してあげられることを嬉しく思う。
素晴らしい選手。素晴らしい能力があって、毎日真剣にプレイして…。
自分の背後(投手がマウンドに立っているとき)に、いてくれると思うと心強い選手なんだ。他にもたくさん、いい選手を知っている、でも、彼が最高なんだ。
彼は実際、メディアで伝えられているのなんかより全然、素晴らしい人。世間の人々はみんな、そこまで知らないと思うけどね…。僕たちは、仕事場でもプライベートでも、ほんとに楽しい時間を共に過ごしたよ。
僕にとっては、2009年のALDSが、彼との一番の思い出。僕が登板して、何点か取られていた。だけど、デレクが僕のところに来て言ってくれた、「心配しないでいいよ。僕が君を支援するからね」って。そして実際に彼は打席に出て行って、ホームランを打ってくれたんだ。あんなのは、初めてのことだった…。彼が僕を再び勇気づけてくれて、それで僕たちはあの試合に勝つことができた。

デレク・ジーター引退 ホーム最終戦 (2014/9/26)

取材日:2014年9月26日(日本時間)

あまりにも劇的な結末だった。スタジアムが、星のように無数のフラッシュライトできらめき、怒濤の歓声に呑み込まれた。現役では全米一人気があるアスリートと言っても過言ではないだろうスーパースターが、チームメートに抱きかかえられ、頭をもみくちゃにされ、涙にむせていた。
偉大なる「ヤンキー」、デレク・ジーターの、ホーム最後のお別れ試合は、彼の適時打によってサヨナラ勝ちという、嘘のようなほんとのベスト・シナリオで終結した。試合開始時から、彼の名前がアナウンスされるたび、観客は総立ちになり、大歓声を送り続けた。大スクリーンには、街のニューヨーカー、出勤途中のサラリーマンや、警察官や、工事人や、赤ちゃんを抱きかかえたママや消防士といった、ありとあらゆる市井の人々からの「ありがとうジーター」メッセージが流され、彼の20年に及ぶキャリア・ハイライトが流され5−2でリードしていた8回表には、ショートの守備についているジーターへ「Thank you, Jeter!!!」コールが起こり、彼は涙をこらえながら、帽子をとってスタンドへ応えた。フィールドへ飛び出して行くとき、2塁に来た敵の走者と話すとき、得意のジャンピング・スローで送球するとき、すべてのルーティーンも、今日が最後なのだ。ジーターは、瞬間、瞬間を、目に焼き付けようとしているようだった。
8回表まで黒田投手が好投、5−2のままヤンキースが逃げ切るように見えた。ジーターは1回の第1打席早々に、先頭打者を生還させる適時二塁打を放ち打点1。その後は凡退だったが、得点に立派に絡んで、7回のエラー出塁が最終打席になったと、誰もが思っていたのだった。
しかし、その後に絵に描いたようなドラマが待っているとは、誰が想像し得ただろうか。
9回表、抑えでマウンドに上がったロバーソンが2ラン、ソロと2HRを浴びていっきに同点。ヤンキースに9回裏の攻撃が生じたのである。そこからはスタンドのファンも、チームも、そして記者席ですらもジーターで勝って終わる、そんなふうにならないものか、、、と感じ始めた。そして、それが現実となった。
先頭ピレラが安打で出塁。続くガードナーが送りバント。舞台は整い、我らがキャプテンが打席に。初球の直球をジャストミートで捉えると、打球は1、2塁間を抜けた。1塁を回ったジーターは、走りながらホームベースを見た、ピレラがサヨナラのホームベースを踏んだのを確認すると、飛び上がって駆け出した。ジーターへ向かって、チームメートが怒濤のように押し寄せて行った、ダグアウトの前では、同じくヤンキース全盛期を支えた生え抜きの盟友——リベラ、ポサダ、ペティートたちが、彼を出迎えようと笑顔で待っていた。

ひとしきり騒ぐと、彼はひとりフィールドへ出て、帽子を取り、スタンドの全方向へ向かって、お別れの挨拶を繰り返した。観客の拍手と歓声は、いつまでもやまなかった。ジーターはふと立ち止まり、フィールドへしゃがみこみ、しばしの間動かなかった。

背番号2番が今、フィールドを去って行く。彼のピンストライプ姿を、このヤンキースタジアムで見ることは、もうないのだ、、、明らかに、1つの時代が終わった。ニューヨーカーが愛したヤンキースは、ジーター引退によって終焉を迎えたのである。

<ファンへ>
皆さんに本当にありがとうと言いたい。僕はただ自分の仕事をしようとしてきただけなのに、僕の名前を呼んで勇気づけてくれた。ありがとう。
ファンのみなさん、このチーム…。オリオールズには、プレーオフおめでとうと言いたい。
すべてを忘れないが、ファンのみなさんを一番恋しく思い出すことでしょう。本当にありがとう。
<記者会見>
今日の試合を、どうやってプレイしたらいいか、分からなかった。落ち着いてやろうとしたけど…。この2、3週間は、とても苦しい期間だった。日を追うごとに、どんどん切なくなっていった。
今夜の試合展開を楽しんだよ。同点に追いつかれて…バットも折れて。まあ、君たちの書きたいように書いて(笑)。
―ボストンでは
ノー。ショートとして出場するのは、今夜が最後。ヤンキースタジアムでのプレイを、スペシャルなものとして取っておきたいんだ。レッドソックスと、あそこのファンの皆さんに敬意は持っている、でも…。プレイはする、でも、DH(指名打者)として。
本当に感情的なシーズンだった今シーズンはほんとに特別な年になったが、刻々と切ないものにもなっていった。人々が僕に素晴らしい言葉をかけてくれて、そして僕のハイライトを流してくれたり…。「ああ、自分のキャリアは本当に終わるんだな」って思わざるを得なかった。すべてのことに感謝している。
今日は、とてもエキサイティングだった。その思い出を胸に、ヤンキースタジアムとNYを、特別なものにしたいから、(ボストンではショートの守備にはつかない)。
今夜は、自分のやりたかったことがやれて嬉しい。自分の仕事を果たすことができて嬉しいという思いと、僕のキャリアは終わったのだという気持ちが混ざり合って、今は変な気持ちだ。
最後の打席、任務を果たしたかった。毎試合それは考えてきたけどね…。でも本当に、ありがとう、と言いたい。この機会を与えられたことを…。自分がやりたかったことを、やってこれた。ほんとに、何て言ったらいいのか、良く分からないんだけど…これが僕の、夢だったこと。4、5歳のころからの夢だったことをね…。そして今、その夢も、終わったんだね。
18歳のころから自分の仕事、サクセスにフォーカスしてきた。1年のうちの2、3週間を除いてね…。そして、今年のスプリング・トレーニングのときに、ふと決心したんだ。決して、もうプレイできないと思ったからじゃない。でも、今年が、(引退するには)正しいタイミングだと思った。そして今、その時が来た。自分のキャリアを、今夜のような形で終えられることを、とても幸せに思っている。こういう結末を望んで、ドラフトされたんだから…。この2、3週間は、もう最後だという思いで、とても切ないものだったが、最後の最後まで何とかそれをコントロールしなければと努力していた。
今日は、球場へドライブしてくる間に、既に泣いていた。自分一人だったから、それが出来たんだけど(笑)。チームメートが、試合前に、僕の引退を祝してくれて…そこでまた、崩れそうになった。僕は今まで、自分の感情をコントロールすることに対して、かなりいい仕事をしてきたと思うんだ。常に感情を隠し、自分自身も騙して…痛みとか、故障とかでも、何事もなかったかのように隠すことをやってのけてきた…。でも今日は、それができなかった。カメラが自分の周りにいても、それでも崩れそうだった。
4万人、5万人のファンが、自分の名前を呼んでくれるんだ…。そんな仕事は、他にあまりないと思う(笑)…。ファンが、自分の名前を叫んで、「ありがとう、デレク!!」って…。僕がいったい何をしたんだ?ただ、自分の仕事をしてきただけだ…。確かに、野球をやり続けることは僕の夢だった、でもこれは、自分の家の裏庭でプレイするのとは違う。とても感傷的になったよ。
キャリアを通じて、僕よりも才能のある選手たちをたくさん見て来た。もし、「My way」——「僕のやり方」というものがあったとしたら、僕は、僕よりも才能に溢れる選手たちに、彼らより一生懸命にプレイすることで張り合おうとしてきたことだろうか。どのゲームも、これ以上はできないというくらい頑張って、毎試合を尊重しながら、プレイして来た。そして、もう1つ誇れるものがあるとするなら、ここNYで、それをやり通せたことだ。NYはとてもタフなところだから…。自分がそれを果たせたことを、嬉しく思っている。
試合の途中に、クラブハウスに行ったんだ。もちろん、誰もいないわけだけど、独りで、歩き回って、いろんなところを目に焼き付けた。チームメートは、僕に、素敵な絵と時計をくれた。そんなすべてに、崩れ落ちそうになった…。ファン、チームメート、仲間…。そして、フィールドでは、スコアボード、2塁のベース…1つ1つのものに、涙が出そうだった。今ここでは、そんな切なそうに見えないかもだけど、サヨナラ弾を放ったばかりだから興奮してるだけなんだよ(笑)。
たくさんあるけど…やっぱりファン。1回から「どうか、僕を泣かせないで」って思ってたけど、だめだった(笑)。
昨夜はとても苦しかった。プレーオフへの望みが断たれたことに、凄くがっかりしていた。ファンやチームに謝罪したい気持ちだった、みんな、10月もここで野球を見ることを楽しみに、期待していたんだ…。

オリオールズ:チェン・ウェイン投手 (2014/9/25)

チェン・ウェイン投手にとってのジーター
今季、アメリカン・リーグ東地区を制し、既にプレイオフ進出を決めているボルチモア・オリオールズ。快調を支えた柱の一つは、ここまで16勝を挙げている左腕:チェン・ウェイン投手だ。
台湾出身のチェンだが、「僕の野球は日本で育てられた」と言い切るほど、日本野球に信頼を寄せている。日本語も堪能で、中日時代も日本人ファンに非常に愛されていた。大リーグでは目が出ないアジア人投手も数多くいる中、立派に成功を収めている一人だ。
ひとたびマウンドに上がれば厳しい顔つきで大リーガーたちを仕留めるが、素顔はとても人なつこく、明るい好青年。引退間近のジーターには、実は強烈な思い出があるという。
僕の印象は、1つしかない。メジャー初デビューで、初ホームランを打たれた(笑)。3−2で打たれて、悔しいなあと思った。でも、いい選手だから、打たれたら仕方ないって。今年は引退だから、自分も何とか抑えたい、ヒットを打たれたくない。引退するから打たそう、っていうのは、アメリカの野球じゃないから。勝負に行かないと、男らしくないと見られる。でも、結局、最後の最後で打たれちゃったんだけど(笑)。悔しい思いがたくさんある。

【オリオールズ:チェン・ウェイン投手】インタビュー映像

 【音声】チェン・ウェイン投手からティアンドエイチのサイトをご覧いただいている方々へ

デレク・ジーター プレイオフ脱落が決まった試合後のコメント (2014/9/25)

同じアリーグ東地区首位のオリオールズに負け、これで公式にプレイオフ進出の望みが断たれてしまったヤンキース。これで、キャプテン・ジーターにとって、明日が本当に最後のホーム・ゲームになることが決定した。
試合直後のジーターはショック覚めやらない様子で、珍しく報道陣の質問を遮って言葉を荒げたり、イライラを隠すことも出来なかった。去年のリベラ引退年にやはりプレイオフを逃したのに引き続き、今年、自身の引退年も連続でプレイオフを叶えられなかったことに胸がいっぱいだったよう。話題となっているこの後のボストン戦への出場可否についても、答えようとしなかった。

撮影:田口有史
―プレイオフを逃してしまって、苦しい気持ちでしょうね。
とても厳しいね。(プレイオフのために)プレイしているんだから…。苦しい気持ちだ。
僕たちは今日、いいプレイが出来なかった。オフシーズンに、今季こそプレイオフへとかなり努力はしたのだが、残念ながら叶えることができなかった。
―なぜ、プレイオフを叶えられなかったと思いますか?
多くの理由がある。原因は1つだけではない。良かった部分もあったが、良くないことがたくさんありすぎた。
―今日、チームがノックアウトされたことが、明日のあなたのホーム最終戦に影響してくると思いますか?
あしたはここへ来て、もう1試合やるだけ。明日のことはまだ分からない。天気が大丈夫であることを祈るよ。
―天気予報をチェックしてる?
ノー。雨だということは聞いているけど。僕はメディア・マニアじゃないから(笑)。
―明日は、いつもと同じルーティーンで行きますか?それとも、「最後だ…」と特別なことを?
分からない。きっと…。分からないや。
―今日は、あなたの打席でファンがカーテンコールを求めていました。でも、あなたは出てこなかった。
まだ試合が終わってなかった。次の打者が打席に立っていたし、邪魔したくなかったんだ。
歓声は聞こえた、ファンのみんなには、いつだって感謝してる。でも、あのときは、僕たちはまだ逆転しようと頑張っているときだったから。
―明日は、何かスピーチを予定していますか?
撮影:田口有史まだ分からない。今は、そういうことを考えることが難しい。僕たちは負けたばかり。プレイオフへ行けない。今は、僕の頭の中はそれだけでいっぱいなんだ。別のことを考えるのは難しい。とてもがっかりしている。ファンのみんな、そしてチームのみんなにも、すまなく思っている。
―この20年は、それでも素晴らしかったのじゃないですか。
そうだ、とても。また明日、それについては話すよ。
―このあとの、ボストン戦には…
分からない!僕たちはたった今、負けたばかりだという事実を、尊重してほしい。今はボストンのことは語れない、なぜなら考えてないから。
―それでも、今何か、ポジティブなことが頭に浮かびますか?
もちろん、何かはあるはずだ…。でも、今は、それを見つけるのが難しい。あした、あした話すよ。

黒田博樹投手 on Jeter (2014/9/24)

撮影:田口有史

ジーターのホーム引退試合での先発に向けて

取材日:2014年9月24日(日本時間)

―黒田さんの今季最後の登板が、ジーターのホーム最後の試合になるが。
いや、まあ、それもマウンドに立ってみないと、どんな雰囲気かは分からないが、ただ、いい投球をしなければいけないというそれなりのプレッシャーもあるし…くらいかな(笑)
―でもやはり、いつもとは違う特別な雰囲気になるかなと?
僕自身は、いつもが特別と思って盛り上がっているから(笑)、それはあまり感じていない。

マー君 on Jeter(2014/9/24)

田中将大投手のジーターに対する思い

取材日:2014年9月24日(日本時間)

―ジーターへの思い
存在感が凄い。球場の雰囲気も、登場するだけで変えられる選手。
一つ変わったアクションがあれば、球場が盛り上がる、やっぱり影響力が大きい選手だなというのが、1年間近くにいて思ったこと。
―個人的に、彼とのエピソードは。
いや、1年中冗談言ってもらって、相手してもらってたんで。彼との時間は凄く楽しく過ごせている。
―アイス・バケット・チャレンジのとき、ジーターに抱きつかれていましたよね。
あれもなんか、CCと僕をと指名してくれたみたいで…。俺でいいんか、というのがあったけど、僕自身も凄く思い出になった。
―このチームの歴代の日本人選手は、みなジーターに良くしてもらったと話してくれる。
例えば松井さんなどは、試合後などにもよくジーターと食事などに出かけていたようだが。
そういうのはなかったけど、キャンプ中には1度食事に出かけた。

 【音声】田中将大投手のジーターに対する思い

デレク・ジーター 現地22日の試合後の声(2014/9/23)

今季限りで引退する偉大なキャプテンが、クラッチぶりを見せつけた。
3回裏にはピレラを生還させ、5回裏には走者一掃の適時二塁打で計3打点。プレイオフ出場の望みをつなぐ働きぶりで、チームを勇気づけた。
個人記録ではこれで通算二塁打543本、トニー・グウィンに並んで大リーグ歴代2位タイ。歴代1位にあと1本と迫り、残り3試合でこれを抜く可能性も出て来た。
周囲の者たちは、「もしこれで歴代1位に躍り出れば、デレクは引退を考え直してくれるんじゃないか?」などと揶揄しながら、ジーターの引退を惜しんでいる。すべての野球人、すべてのベースボール・ファンに愛されているスーパースターの、今夜の声を聞いてみよう。

取材日:2014年9月23日(日本時間)

―ここのところ、スイング(打撃)も冴えています。まだまだやれそうじゃないですか。チームもあなたを必要としているのでは?
もうプレイできないとは、一度も言ってないよ(笑)。まあ、今シーズン終了後に、いろいろクリアになるだろう。
(誰かの穴が抜けた後は)ときには思ったより簡単に順応できるし、ときには簡単じゃない。でも、このチームはうまく適応して行くさ。
―プレイオフは、実現できるでしょうか?
明日の試合に勝つ、ただそれだけだ。僕は、物事を複雑にしようとは思わないんだ。
僕たちがコントロールできることのすべて、それは明日だけ。早めに球場に来て勝つ、それしかない。
―マジック・ナンバーは…
数字、ノーノー!!明日勝つだけ、と言ったろう(笑)?
僕は今まで一度も、できやしないことは言ったことないよ。
―結局最後まで、ボブ・シェパードさんのアナウンスを使いましたね。
(ジーターの打席の際のアナウンス。ジーダーだけ、亡くなったボブ・シェパードさんのものを使い続けている)。
あれは、彼が亡くなる何年も前に、僕が提案していたものなんだ。あの声と共に、僕は育った。あの声だけが、ホームにいるなって僕に感じさせてくれる、唯一の声なんだ。光栄にも、ボブさんも承諾してくれた。僕は、彼のスペシャル・ファン。このチームにとってとても大切な人だった。
―ファンのみんなが、あなたの名前を叫んだり、声援を送ったりしながら、あなたの引退を惜しんでいます。
あなたの姿に感銘を受けながら…。そんなファンに、あなたも感動しているでしょう。
僕にとって、素晴らしいシーズンになっている。最初は、どんな風になるのか見当がつかなかったけど、ここまではとても素敵だ。
特に、このホーム球場ではね。このシーズンを一生忘れないよ。

マー君 復帰登板 記者会見内容&マー君と対戦し2安打を放ったブルージェイズ:ホセ・レイエスのコメント(2014/9/22)

7月8日、クリーブランドでの先発以来、約2ヶ月以上ぶりに復帰登板を果たした田中将大投手。
立ち上がり1回では、先頭のレイエス、バティスタに連続安打を浴び先制点を許したが、その後は安定。5回と3分の1を投げて5安打1失点4奪三振1死球、四球は無しと好投だった。
また、相手チーム、ブルージェイズの川崎宗則内野手との対戦も2打席あったが、こちらは1打席目は2塁打、2打席目は見逃し三振と、1勝1敗。21打者に70球を投じたところで降板し、チームが5−2で勝って勝利投手となった。
故障前よりもフォークが少なくカーブが多めという配球だったが、ジラルディ監督は「故障前に近い」、また対戦したブルージェイズのバティスタも「前と同じタナカだった」と太鼓判を押した。

取材日:2014年9月22日(日本時間)

撮影:田口有史
そうですね、まあ今日は、約2ヶ月以上投げてなかったんですけども、そういった中で、制球がある程度まとまってたというのは良かったと思います。
―初回、先頭レイエスへは初球は92マイル。この1球を投げるために2ヶ月以上リハビリに取り組んでこられたわけですが、この1球を投げたときの率直な感想は?
レイエスは前回対戦したとき、初球を先頭打者ホームランにされているので、それだけはないようにしないとと思って投げました。
―今日の、ご自身の中での一番大きなテーマは?また、それをどれぐらい達成できたと考えますか?
うーん…。自分のその肘の状態などを確認しながらも、しっかりチームの勝利を引き寄せられるようなピッチングをしたいと。そういった意味では、目標をクリアできたかなと思います。チームも勝ったし。
―監督は、故障前と近いピッチングだったと言っていた。
感覚的には全然問題なかったと思う。
―これから目指すところというのも、そこが基準になりますか?
そこは特には目指さない。より良くなりたいので、いつの、あの時に戻りたいというのはないです。
―きょうはカーブが良かった。統計的に見た感じ、配球の割合が故障前よりも、例えばフォークが少なかったとか、そういうのも見受けられたが、それはただ単にゲームの流れの中でそうなったのか、それともご自身の中で負担を考えながらそうなったのか?
どちらかと言えば、負担を考えてというのではないです。キャッチャーも今日良かったボールをいいと感じてくれたから、いろんな場面で要求してくれたんだと思うし。自分の中でも、「今日はちょっとカーブがいいな」と感じていたので、多くなったのかなと思ってます。
―フォークが少なかったのも…
今までが多すぎたんじゃないですか(笑)
―今日だけじゃなくて、この先も見据えて、こういう感じだったら長い間プレイしていけるなって思いましたか?
うーん…。今日一試合では分からない。結局、継続して行くものだし、今日は2ヶ月ぶりに投げた一試合だけなので、今度は次の登板。
―今回は、自分のこともいつもより考えながら投げるんじゃないかと昨日言っていた。想像してたよりも、体のことを考えずになげられたのかどうか。
そうですね、思ってたよりは、自分の体のことを考えずに投げられた。次はボストンであと一試合になると思うけど、今日投げられたのもあって、心配は軽減すると思う。

レイエス
「今日の彼は良かったと思うよ。彼がどんな投球をするか分かっているからね。いいピッチャーなんだ。ピッチングというものを知っている」

トロント・ブルージェイズ 川崎宗則内野手 インタビュー(2014/9/22)

撮影:田口有史
<僕にとってのジーター>
凄くセクシーな選手。
みんなからも愛され、プレイも超一流、人間的にも超一流。誰に聞いても、ジーターをリスペクト、尊敬してる、そういうことしか聞かない、ほんとに素晴らしい選手です。
日本人選手にも凄く声をかけてくれるし、ほんとに気遣いのできる、一生尊敬してる。
しかもショートで僕の大好きなポジションでもあるし、彼は素晴らしいことばかり。ほんとに素晴らしい選手と一緒にプレイすることができて、ほんとに光栄です僕は、ラッキーです。
Thank you Jeter!!

 【音声】川崎宗則内野手インタビュー

 【音声】川崎宗則内野手からティアンドエイチのサイトをご覧いただいている方々へ

ページTOPへ

SSL GMOグローバルサインのサイトシール

当サイトは個人情報保護の為、
SSL暗号化通信を採用しております。