文化学園大学杉並中学・高等学校ソフトテニス部
野口 英一監督 インタビュー

2016年のインターハイ、女子ソフトテニスで個人・団体と完全優勝を果たした文大杉並。
これで選抜との2冠になったが、もちろん狙うのは国体優勝での3冠だ。
今回のインタビューでは激闘のインターハイ、そして今後に向けての話を伺った。

取材日:2016年8月9日

―早速ですが、インターハイ個人・団体優勝おめでとうございます!
ありがとうございます。林田・宮下(こころ)がハイスクールジャパンで優勝したので良いところまでいくだろうなと。三年生の宮下(真緒)上田が第一シードで、力もあるから、上手くいけば同校で決勝やれるかな、っていう思いがあった。ただ、中村吉原が3位に入るとはちょっと予想外でしたね。去年、(ベスト)16には入ってるんですけど、あんまり調子が良くなかったので。
学校の中では全然勝てなくて、ベンチにも入れない状況だったんです。で、「個人戦でベスト4以内に入ればベンチにいれてあげるよ!」って言っといたら、本当に入ってきた(笑)
―中村・吉原ペアは3年生ですもんね!今回のインターハイにかけてましたね。
はい。去年のインターハイでは中村吉原ペアで信愛さん(和歌山信愛)に負けてますからね。それから国体も(和歌山信愛に)負けてるんですよ。
―ただ、今年の選抜からは文大杉並の快進撃がはじまって、勝ってますよね!?
去年一年間、信愛さんに負け続けましたから。で、そのときのメンバーが(文大杉並に)そっくり残ってるんですよ。だから、経験もあるし、去年一年間負けた悔しさもあるから、まあ、そのリベンジみたいな形で頑張れたと思うんですよね。信愛さんのおかげなんですよ!去年一年間、みっちり鍛えてもらったから。
―そうしますと、今年のライバルは和歌山信愛だったということですか?
去年、信愛さんが3冠取っていて、すごく良いチームだったんですよ!なので、このチームを超えたいというのは、選手もあるし、まぁ、こっちもね。ただ、今年は信愛さんも、三重さんも高岡西さんもみんな強いんで、去年から出てる子たちがいっぱいいて、今の3年生の代はレベルが高いんですよ。
高岡西さんも三重さんも、去年は下級生が出てるのがほとんどだったので、信愛さんだけが一人だけ残って、あとはみんな卒業していったんです。だから、確かに信愛さんは良いチームなんだけど、経験ということを考えると三重さんと高岡西さんが強敵ですよね。もちろん、信愛さんもですけど。
―今年はその3校に的を絞ってインターハイに挑まれたんですか?
そうですね。厳しかったですけどね、その3校との勝負は。もう本当に苦しい試合で・・・。
準々決勝(三重)、準決勝(高岡西)、決勝(和歌山信愛)で全部当たりました(苦笑)
―今回インターハイで個人・団体とどちらも優勝されましたが、振り返ってみていかがでしたか?
そうですね。まず、うちはインターハイ個人・団体ともまだ一回も取ってなかったんですよ。
私も14年前に引っ張ってもらったというか、私の日野二中監督時代に教え子が50人ばかり文大杉並に来てるんです。そんな経緯もあり「みてもらえないか?」と言われ、公立を辞めて私学のここに来たわけで、呼んでもらったからには、まずインターハイ優勝するっていうことで、ある意味責任のような、それも感じてたし。
中学の教員の時に送り出した子たちもインターハイでは優勝できずに悔しい思いをしてきてるんで、それも含めて優勝取っていきたいなと。で、中学の時は全中優勝してるんで、高校来たら高校のタイトル。選抜優勝してる、国体優勝してる、あとはインターハイじゃないですか。なので、そのインターハイで勝ちあがれた。今年は去年の子たちが残っていてある意味チャンスだったので。
2016年8月9日 インターハイから僅か9日、大会に向けて練習を見つめる野口監督
―多くの卒業生にとっても待望のタイトルだったわけですね。
ちなみにインターハイ前には普段と違うメニューなど取り入れていましたか?
これは選抜のときからなんですけど、選抜は屋内なので一般的には柔らかいボールを使いたがるんですよ、ロビング主体の。
でもうちはインターハイを目標にしていたので、インドアでも速いシュートボールを打つということをずっとやり続けたんです。ロビングの打ち合いをしないようにこっちから先にしっかりライジングで打っていくという、そういうことが夏につながったのかと思います。
―多くの試合をこなしましたが選手のコンディションなどはいかがでしたか?
やはり体力的に10試合目あたりから厳しいものがあったと思います。そこからは選手の優勝したいという想い、気持ちが上回ったんだと思います。
―それにしても個人戦決勝はすごい試合になりましたよね。
そうですね、0-3になってから、お互いにマッチポイントを取って最後7-9でしたから本当に凄かったと思います。
最後は林田リコが1枚上のテニスをしていましたね。
―ところで、今回のように同校対決の場合は指示などどうされるんですか?
思い切ってやれっていうだけです(笑)
実は部員が52人で、3年生が26人、1,2年生が26人。
今回は3年生対2年生だったので、3年生は3年生ペアの応援をして、1,2年生は2年生ペアの応援をすることにしたんです。
―あの激闘の裏にはそんな応援の力もあったんですね。
さて、インターハイが終わりましたが今後の目標を聞かせてください。
信愛さんが去年3冠していて、あと1つで追いつけるということで国体優勝を目標にしています。
去年非常に強かった信愛さんがインターハイで同校決勝だったんですけど、それを追い抜くには同校決勝だけではなくて、もう1チームベスト4に残らないといけないと思って今年は臨んだんです。(今回ベスト4に文大杉並が3チーム残った)
なので、これで国体を優勝すれば、信愛さんを追い抜いたと言えるんじゃないかと思います。
―まだ先にはなりますが、次の世代として現在の1年生はどうですか?
今年のような戦力までとは難しいかもしれないけど、ある程度近いところまではいけると思います。3人インターハイに出場したので、これからも経験を積んで伸びていってほしいですね。
実は小林成美っていう2年前にキャプテンだった子の妹が1年生で入ってきているんです。中学のときに個人戦は破れてしまったんですけど団体戦で優勝していて、全日本アンダーにも入っている子だったので、本人に「いろんな誘いが来ただろ」って言ったら「いえ、私には他の学校からは来ませんでした」って言ってて(笑)、もう文大に入るものだと思われてたのかもしれないですね(笑)
―そんなこともあるんですね(笑)
最後に、全国の選手や指導者が大会などで少しでも上に行こうと頑張っていますが上位に食い込むために必要なことはありますか?
精神力・・・というよりも人間力といった方が良いのかもしれませんが、ピンチのとき苦しい時に心が乱れないで力を発揮するには人間力をつけておかなければいけないと思っていて、そういうことがあるので常に「心が技術を超える」という意識でやっています。
貴重なお時間ありがとうございました。国体での活躍を期待しています。

以上、2016年インターハイ完全優勝の文大杉並ソフトテニス部
野口英一監督のインタビューでした。

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