辞書に頼らずたくさんの英語を読み・聴く『多読多聴』に,全国の英語科の先生方から熱い視線が注がれています。「生徒が楽しみながら自然な英語が身につく」,「自信がつく」など,その良さも多く聞かれるようになってきましたが,学校での導入という視点で考えると,「生徒の学力増加につながるのか?」,「どのように授業を行なうのか?」,「本の購入はどうすれば?」,「管理は?」など,具体的なイメージがわきにくいのではないでしょうか。
今回ご紹介する明星中学高等学校では,全校あげていち早く多読多聴を導入しました。その結果として、英検合格率の飛躍的な伸びに結びつきました。また「生徒が自信を持って自分の言葉で発言するようになった」など,英語だけにとどまらない大きな成果を上げ,数多くの授業見学者が訪れるようになりました。
本DVDでは,実際に授業を行なった3名の教師が,多読多聴の授業形式をご紹介する以外にも,それぞれの多読への思い,経験,生徒の反応,机間巡視での効果的な声かけなど,多読多聴授業の導入以来積み上げてきたノウハウを余すところなくお伝えします。
発売:2013年
※2022年2月2日価格を改定いたしました。
推薦
20世紀末からここ10数年間、日本の中・高・大の授業に多読(多聴)を導入する先生方が急増しています。ところが多読(多聴)授業はこれまで一般的に行われてきた伝統的授業方法とは全く違ったアプローチの仕方であるため、導入はしたものの運営に困難をきたし効果的な指導方を模索中の先生方も少なくありません。多読指導マニュアルや他校への授業見学等である程度は理解できるものの、実際に多読指導を開始すると次々に疑問が湧き、問題が起こり、解決法を探ることになります。
今回のDVD作成に協力した明星中高は、全国に広がりつつある多読・多聴で学習者の英語力を大幅に向上させた学校の一例であり、図書館主導で行われている多読・多聴授業が特徴です。この多読多聴授業のDVDでは、中学・高校生の多読・多聴実践風景から、図書管理にいたるまでつぶさに見ることができ、指導者にとって参考になることが満載です。全体が3部に分かれていて、一部の基礎編では基本的な多読多聴の実践風景、二部の応用編では、多読・多聴の効果をさらに引き出し、4技能の流暢さ(fluency)と正確さ(accuracy)両方の習得を目指したシャドーイング・デイクテーション・フリー-ライテイングおよび文法指導等の実践方法が収録されております。また、一部・二部とも生徒さんや先生方の多読・多聴に対する正直な感想も盛り込まれていて、多読・多聴の効果を実感している学習者・指導者の生の声を聞くことができます。英語学習初期から行われている多読・多聴をベースとしたきめ細かな指導法を見ると、学習者の英語運用能力が著しく向上し、着実に言語習得がなされているのが納得できます。
第三部の管理編では、多読授業の命ともいうべき多読図書管理方法が紹介されています。まずは学習者が使いやすいように、次に指導者の図書整理にかかる負担を軽減するためにと、図書館主導で試行錯誤の末に考案された究極の素晴らしい図書管理方法です。図書整理の煩雑さの為に多読導入を躊躇している先生方もいるほどなので、このような強力な図書館のバックアップがあれば、さらに多読授業が普及し、この学校に見られるような英語力向上を始めとする学習者への教育的効果も計り知れない物になるでしょう。
このDVDに登場する学校は私立中高ですが、公立学校の場合はさらに行政の理解と支援が必要不可欠となります。TOEFL導入や大幅なALT採用のようなトップダウンの小手先の変更だけでは絶対に日本人の英語力向上は望めません。多読を推進する英語の先生は勿論のこと、多読に懐疑的な指導者、日本の英語教育に影響力を持つ文部科学大臣、都道府県知事、市町村長はじめ、文科省および教育委員会の外国語教育担当者に是非見てもらい、実践に役立つ英語運用能力向上方法とはどの様なものかを理解してもらいたいと思います。「百聞は一見にしかず」です。
国際多読教育学会理事 高瀬 敦子
リーディングシートつき
多読多聴の一つの目標は100万語読むことです。その記録に欠かせない各書籍のワード数を載せたリーディングシートが,パソコンを使って閲覧・印刷が可能なPDFファイル形式で収録されています。44シリーズもの記録ができます。
(DVD-ROMコンテンツはすべてのDiscに収録されています)
出版社による案内
模擬授業で使用した6社の出版物とその使い方を各出版社が紹介しています。書籍購入の参考にしてください。
撮影協力:学校法人明星学苑 明星中学高等学校
早くから英語の「多読多聴」に注目し,学校全体として積極的に取り組んでいる。また運用システムの部分でも独自の工夫が多く,「多読多聴」の先駆者として注目され,全国から見学者が多数訪れている。
※指導者・協力者等の役職、所属は収録日時点のものとなります。