※こちらの内容は2018年12月1日付のルールに基づいて掲載しております。
フィールドのサイズ
サッカーの試合は、長辺のタッチライン105m(標準)×短辺のゴールライン68m(標準)による長方形の形をしたフィールドで行なわれる。なお、タッチライン及びエンドラインの長さは各種大会により異なるため、タッチラインは90m~120mの間で、ゴールラインは45m~90mの間とするように定められている。
ゴールのサイズ
ゴールポストの高さは2.44m、クロスバーの長さは7.32mである。
また、ポストとクロスバーの幅と厚みは12cm以下で同じものとし、色は原則白色であることが定められている。
ボールについて
サッカーの試合では、主に皮革やその他認められた材質などで作られた球形のボールを使用する。
ボールの重さや空気圧などは試合開始前に、審判が規格に則ってチェックを行なう。
また、各カテゴリーによって使用するサイズは異なる。
5号 中学校/高校/大学/一般
4号 小学校
3号 小学校低学年
サッカーボール規格(5号)
球形であること
皮革や、その他認められた材質であること
ボールの外周が68cm~70cmであること
重量が410g~450gであること
ボールの空気圧が海面の高さで、0.6~1.1気圧であること
※こちらの内容は2018年12月1日付のルールに基づいて掲載しております。
メンバー
サッカーの試合は各チームそれぞれ11人の選手で試合を行なう。
選手が怪我やファウルなど、何らかの理由により退場した場合は、予め交代要員として登録していた選手と交代することが出来る。しかし一度交代してベンチに下がった選手は、その試合中に再び試合に出場することは出来ない。また、交代枠を使い切った後に選手が退場せざるを得ない状況になったとしても、選手を補充することは出来ず、11人より少ない人数で試合を続行しなければならない。
なお、試合中に出場可能な選手が7人未満になった場合は、試合は成立せずに没収試合となる。
ポジション
サッカーのポジションは大きく分けて4つのカテゴリーに分かれる。
- ゴールキーパー(GK)
相手の攻撃からゴールを守るポジション。フィールドプレイヤーの中で唯一ボールを手で触ることが許されている。(ペナルティーエリアのみ) - ディフェンダー(DF)
自陣後方に位置し、相手の攻撃からゴールを守るポジション。 - ミッドフィルダー(MF)
フィールドの中盤に位置し、後方と前方をつなぎ合わせるポジション。 - フォワード(FW)
主に攻撃の役割を担い、ゴール(得点)を狙うポジション。
※図は4-2-3-1システム
審判
サッカーの審判(レフェリーとも呼ばれる)は各種大会の規模や、選手のカテゴリーによって審判員の人数や編成が異なる。
国内リーグなどでは、主審とその他の審判員(副審2名、第4の審判1名、追加副審2名、リザーブ副審1名)による編成で試合が行なわれるが、国際試合や海外リーグの一部では上記の編成に加えて、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)制度が導入されている。なお、高校生カテゴリーの試合などは、主審1名、副審2名、第4の審判1名による4人編成で試合が行なわれる。
※ビデオアシスタントレフェリー(VAR)・・・フィールド外で判定をサポートする“ビデオ審判員”は、ビデオアシスタントレフェリー、アシスタントVAR、リプレーオペレーターによる編成で、IFABが決定したVAR手順に基づき主審をサポートする。
主審の役割(競技規則を施行する全ての権限を主審は持っている)
- 競技規則を施行し、他の審判員と協力し合いながら試合の進行を行なう。
- 試合で使用するボールや、選手の用具を確認する。
- 試合のタイムキープと、試合の記録を取り、関係機関に提出する。
- プレイを中断させる、再開させるなどの権限を持つ。
- 反則が起こった時、反則を受けたチームがアドバンテージにより利益を受けそうな状態の時は、プレイを継続させる。しかし、予期したアドバンテージが実現しなかった場合は、その反則を罰する。
- 同時に2つ以上の反則が起こった時は、より重大な反則の方を罰する。
- 警告、退場となる反則を犯した選手に懲戒処置をとる。
- 責任ある態度で行動しないチーム、スタッフに対して主審は注意や退場処置を取る。
- 主審が見ていなかった出来事に関しては他の審判員(副審や第四の審判など)の助言によって行動する。
- 選手が負傷した時に、程度が軽い場合はプレイを中断させず、ボールがアウトオブプレイになるまでプレイを続けさせる。
- 選手が重症を負ったと判断した場合はすぐにプレイを停止し、怪我を負った選手をフィールドの外に運び出させる。治療が終了して試合に復帰出来る場合は、プレイの再開後に復帰することが認められている。
- 出血をしている選手をフィールドから離れさせる。止血が主審に認められるとその選手は試合に復帰することが出来る。
- 試合中に起きた反則や、外部から何らかの妨害があった場合は、主審の判断で試合を中断し、再開もしくはその試合を中止する。
- 試合中に認められていない者をフィールドに入らせないようにする。
副審の役割
- 両タッチライン沿いに位置し、主審のサポートを行なう。
- ボール全体がタッチラインの外に出た時、どちら側のチームのスローインで試合が再開されるのか判断する。
- ボール全体がゴールラインの外に出た時、ゴールキックで再開されるのか、相手チームのコーナーキックになるのかを判断する。
- オフサイドポジションにいる選手が反則(オフサイド)になった時にフラッグを上げて主審に合図する。
- 選手交代が要求されているときに合図をする。
- ペナルティーキックの時に、キッカーがボールを蹴る前にゴールキーパーがゴールラインを離れた場合は合図する。また、蹴られたボールがゴールラインを越えた場合は合図をする。
- 9.15mの距離(FKやPKなどで)をコントロールする目的であれば、フィールド内に入ることが許可されている。
第四の審判の役割
- 主審のサポートを行なう。
- 試合中、選手交代の手続きを管理する。
- 試合中のボール交換を管理する。
- 前半、後半の終了時前にアディショナルタイム(ロスタイム)を表示する。
- テクニカルエリア内で問題が起きた場合は主審に報告する。
審判の服装と持ち物
審判の服装
シャツとハーフパンツともに黒色のウェアが基本とされているが、シャツに関しては他の選手と明確に区別出来る色であれば着用が認められている。ただし、黒以外のウェアを着用する場合はその試合をコントロールする審判員が全員同じ色に統一されていることが条件となる。審判員はアクセサリーなどの着用を禁止されている。
主審の持ち物
- ホイッスル
- 時計(腕時計が好ましい)
- レッドカード及びイエローカード
- 試合を記録するためのノートと筆記用具
- 試合開始前のコイントスで使用するコイン
※副審は主審に合図するためのアシスタントフラッグを携帯する。
試合の開始方法
- 審判員は試合会場に到着後、試合時間、交代枠の数、延長戦、ペナルティーキックの有無など試合規定を確認する。
- 試合で使用するボールやフィールドの確認を行なう。
- 両チームのユニフォームの色を確認し、審判のウェアと区別が出来ない色の場合はユニフォームの変更を要請する。
- それぞれ試合に必要な持ち物を確認する。
試合前 | 審判員はストレッチ、ランニングなどでウォーミングアップを行なっておく。 |
---|---|
10分前 | 試合開始10分前に、両チームの選手をロッカールームから入場する場所に集合させる。 |
入場前 | 入場前に選手の服装や用具の確認を行なう。規定に反しているものを身に着けている場合は、注意し、外させる。 |
入場 | 主審、副審、第4の審判を先頭にして両チームが入場する。 |
あいさつ | 国内リーグや国際試合の場合、タッチラインから約10m程度入ったところで、審判員を中心に横一列に並び、観客に向かってあいさつを行なう。高校生の大会などではそのまま中央まで進み、両チームが向かい合ってあいさつを交わす。その後チームに分かれて写真撮影を行なうこともある。 |
コイントス | 両チームのキャプテンが中央に集まり、審判のもとでコイントスを行なう。コイントスに勝ったチームが前半に攻めるゴールを選ぶことが出来る。もう一方のチームが前半のキックオフを行なう。 |
試合開始 |
試合の時間
サッカーの試合は前半45分、後半45分の合計90分間で行なわれる。前半終了時には、ハーフタイムとして15分間のインターバルが入る。ただし、試合時間に関しては主審と両チームが合意した場合に限り変更することが出来る。高校サッカー選手権大会においては一回戦から準々決勝までを前後半各40分、インターバル10分の合計80分間で行ない、準決勝以降は前後半各45分の試合を行なうなど、選手のカテゴリーによって変則的なルールも存在する。
アディショナルタイム(ロスタイム)
主審は試合中に下記の理由から失われた時間を算出し、アディショナルタイムとして前後半それぞれの終了時前に試合時間を追加する。
- 選手の交代により失われた時間
- 選手が負傷した際に、負傷の程度を確認するために失われた時間
- 遅延行為などで失われた時間 など
延長戦
上述の試合時間内で同点により勝敗が決まらない場合は(サッカーは試合終了時に1点でも多く得点をしているチームが勝利する)、前後半各15分ずつの延長戦を行なう。
ペナルティーキック方式
延長戦でも勝敗が決まらない場合は、ペナルティーキック方式により勝敗を決定する。
また、大会によっては90分間の試合時間の後に延長戦を行なわず、ペナルティーキック方式で勝敗を決めることもある。
※こちらの内容は2018年12月1日付のルールに基づいて掲載しております。
キックオフ
サッカーの試合では、前後半、延長戦においてプレイを開始する時、フィールド中央から行なわれるキックオフでスタートする。また得点が入った時も、得点を入れられたチームのキックオフからプレイが再開される。
アウトオブプレイとインプレイ
アウトオブプレイ
フィールド上、空中を問わず、ボールがライン(タッチラインとゴールライン)を完全に越え、フィールドの外に出た時アウトオブプレイとなり、プレイが止まる。また、主審によりプレイが止められている時もアウトオブプレイとなる。
インプレイ
上述のアウトオブプレイ以外の時間は全てインプレイとなる。
得点
サッカーの試合では、ボール全体がゴールラインを完全に越えた場合に得点が認められる。
なお、国際大会などではゴール判定に対する誤審を減らすために、ビデオ判定システムが導入されている。
スローイン
ボールがタッチラインを越えアウトオブプレイになった時に、プレイ再開時に用いられる方法をスローインという。なお、フィールド内で最後にボールに触れた選手の対戦チーム側にスローインは与えられる。
図1:赤チームの選手がボールに触れて、ボールがフィールド外に出る→アウトオブプレイとなり試合が一度止まる
図2:ボールがフィールド外に出た地点から黒チームの選手によりスローインが行なわれる。
コーナーキック
ボールがゴールラインを越え、アウトオブプレイとなった時(最後にボールに触れていた選手が守備側の場合) 、攻撃側チームのコーナーキック(セットプレイ)によりプレイが再開される。
図1:赤チーム(守備側)の選手が触れたボールがフィールド外に出る→アウトオブプレイとなり試合が一度止まる
図2:黒チーム(攻撃側)の選手にコーナーキックが与えられる
ゴールキック
ボールがゴールラインを越え、アウトオブプレイとなった時(最後にボールに触れていた選手が攻撃側の場合) 、守備側チームのゴールキーパーのゴールキックにより試合が再開される。
図1:黒チーム(攻撃側)の選手が触れたボールがフィールド外に出る→アウトオブプレイとなり試合が一度止まる
図2:赤チーム(守備側)ゴールキーパーのゴールキックにより試合は再開される
※こちらの内容は2018年12月1日付のルールに基づいて掲載しております。
フリーキック(間接/直接)
選手が試合中に反則を犯した場合、罰則として相手チームに直接フリーキックか、間接フリーキックの何れかが与えられる。
直接フリーキック・・・キッカーが直接ゴールを狙うことが出来る。
間接フリーキック・・・キッカーは直接ゴールを狙うことが出来ず、蹴られたボールに他の選手が触れなければ、例えゴールにボールが入ったとしても得点は認められない。意図的でなくても直接ゴールに入ってしまった場合は、守備側のゴールキックでプレイは再開される。
ペナルティーエリア外で反則が起こった場合、基本的に反則の起きた場所からフリーキックが行なわれるが、その際に守備側の選手は、ボールから9.15m以上距離を取らなければならない。
ペナルティーキック(PK戦)
守備側の選手が自陣ペナルティーエリア内で直接フリーキックに該当するファウルを犯した場合、罰則として相手チームにペナルティーキックが与えられる。
ペナルティーキック(通称PK)とは、ペナルティーエリア内にあるペナルティーマークにボールをセットし、PKが与えられたチームの選手が1名代表して蹴るセットプレイのことである。ゴールを守るチームはゴールキーパーのみがプレイに関与でき、他の選手は全てペナルティーエリア外にいなければならない。
なお、セットされたボールをキッカーが蹴り、ボールが前方に動いた瞬間にプレイはインプレイとなるため、その後は全ての選手がプレイに参加することが出来る。
PK戦
サッカーの試合では各大会の競技規定により、試合時間内に勝敗がつかない場合、PK戦で勝利チームを決定する方法が用いられる。PK戦では各チーム5本ずつキックを交互に行ない、5本のキックが終了するまでに勝敗が決した場合はその時点で試合終了となる。なお5本のキックが終了しても同点のまま勝敗がつかない場合は、同じ順序で1本ずつキックを行ない、勝負が決した段階で試合終了となる。
※こちらの内容は2018年12月1日付のルールに基づいて掲載しております。
ファウル
試合中に選手が定められた規則に違反する行為を犯した場合、ファウルが宣告され、相手チームにフリーキック(間接/直接)またはペナルティーキックが与えられる。なお、悪質で行き過ぎたファウルの場合は警告としてイエローカードが選手に宣告され、場合によってはレッドカード(即刻退場処分)が下される。
アドバンテージ
反則が起こった時、反則を受けたチームがアドバンテージにより利益を受けそうな状態の時は、主審はプレイを継続させる。しかし、予期したアドバンテージが実現しなかった場合は、主審はプレイが終わった後にその反則を罰する。
直接フリーキックに相当するファウル
- ハンドリング
GK以外の選手がボールを手で触る。GKがペナルティーエリア外でボールを手で触る。 - キッキング
相手選手を蹴ろうとしたり、実際に蹴る。 - トリッピング
相手選手をつまずかせようとしたり、実際につまずかせる。 - ジャンピングアット
相手選手に飛び掛かる。 - ストライキング
相手を殴ろうとしたり、実際に殴る。 - プッシング
手を使い、相手選手を押す。 - ファウルタックル
相手選手にタックルをする。 - ファウルチャージ
相手選手に危険に身体を接触させる。 - ホールディング
相手選手のユニフォームや身体を掴み、動きを妨害する。 - スピッティング
相手選手に唾を吐きかける。
間接フリーキックに相当するファウル
GKのファウル
- GKがボールを手でコントロールしてから手放すまでに6秒を越えてしまう。
- GKが一度ボールを手放した後、他の選手が触れる前にそのボールに触ってしまう。
- 味方選手が意図的にGKにキックしたボール(バックパス)を手で触ってしまう。
- 味方選手がスローインしたボールをGKが直接手で触ってしまう。
GK以外の選手のファウル
- 身体的な接触を伴わず、相手選手の進行を意図的に妨げる。
- 相手チームのGKがボールを放そうとしている行為を妨害する。
- ファウルとして規定されていないもので、選手に対して警告、退場をさせるためにプレイを止めることになる反則をする。
- オフサイドの反則を犯す
※こちらの内容は2018年12月1日付のルールに基づいて掲載しております。
警告の対象となる行為
- 反スポーツ的な行為をする。
- 言葉や行動により主審の決定に対して異議を唱える。
- 競技規則に違反する行為を何度も繰り返し行なう。
- プレイ再開をわざと遅らせる。
- コーナーキックやフリーキック、スローインによりプレイが再開される時、規定されている距離を守らない。
- 主審の承認を得ていないのに、わざとフィールドから離れる、もしくは入ったり、交代した選手が復帰をする。
退場の対象となる行為
- 明らかに不正なファウルをする。
- 乱暴な行為をする。
- 選手やその他の人に唾をはきつける。
- 得点が入るような決定的なプレイに対して、守備側のチームのGK以外の選手が意図的に手を使い、プレイを妨害する。
- 得点に絡むプレイに対して、守備側の選手がフリーキックやペナルティーキックを与えるような激しいファウルを犯し、相手チームの得点チャンスを妨害する。
- 侮辱行為や、下品な発言、行為を行なう。
- 同じ試合中に警告(イエローカード)を2度受けた場合に退場処分が下される。
※こちらの内容は2018年12月1日付のルールに基づいて掲載しております。
オフサイド
オフサイドとは、オフサイドポジションにいる選手が(※オフサイドポジションにいるだけでは反則にはならない)味方選手からのパスを受けたり、相手選手の動きを干渉したり、その場にいることで利益を得たと主審が判断した場合、オフサイドの反則となる。
なお、オフサイドの反則が起きた場合、相手チームに間接フリーキックが与えられる。
オフサイドポジション
オフサイドポジションとは、攻撃側チームの選手が相手チーム陣内で、ボールよりもゴールラインに近く、且つ守備側チームの後方から2人目の選手よりもゴールラインに近い位置にいること。
図1:味方選手からパスが出た瞬間にオフサイドポジションにいると、オフサイドの反則になる
図2:味方選手がシュートを蹴る瞬間に、オフサイドポジションにいる選手が故意に守備側の選手の動きを干渉するとオフサイドの反則になる。
図3:味方選手がシュートを蹴る瞬間に、オフサイドポジションにいて、シュートがポストに当たり、跳ね返った場合、ボールに故意に触れたりプレイに参加した場合オフサイドの反則になる。