大東文化大学 男子バスケットボール部
飴谷 由毅選手 インタビュー

第82回目となるトップ指導者&選手特集では、関東大学バスケットボールリーグ戦で現在首位を走る大東文化大学の飴谷由毅選手にインタビューを行ないました。現在のチーム状況や自身初となるU22日本代表に選出された際の裏話、今後の目標など、様々なことについてお話しいただきました。

取材日2019年10月11日

―リーグ戦、首位をマークしていますが、チームの雰囲気を教えてください。(10月11日現在)
チームはとても良い雰囲気です。長いようで短いリーグ戦ですが、良い雰囲気でここまでこれているなと思います。
―初戦の青学に一敗を喫しましたが、この負けの原因はどこにあったのでしょうか?
一人一人がリーグ戦に対して、気持ちの持っていき方が甘かったのかなと思います。勢いで試合に入ってしまったというのが敗因だと感じていますし、あの負けは大きな負けであって、でも逆に考えるとあの敗戦があったからその後の11連勝という結果があると自分は思っています。
―皆で集まってミーティングをしたりするんですか?
はい。やっぱりコミュニケーションを取ることは大事なので、試合に出ているメンバーでご飯を食べに行ったりして、どうしたら勝てるのか?とか、試合に関係ないプライベートなことも含めて、コミュニケーションを積極的に取るように意識をしています。でもあの負けた日も下を向く選手は一人もいなかったと思いますし、強い気持ちを皆が持っていたことと、皆で集まって話す機会を増やしたことが、その後の巻き返しに繋がったのかなと思っています。
―2位に筑波大学、3位に東海大学と後ろにはライバルが続いていますが、やはり意識はしていますか?(10月11日現在)
そうですね。筑波大学も東海大学もやっぱりタレント軍団なので、僕ら大東文化は名前で負けてはいけないと思っています。名前とかは関係がなくて、結局やるかやらないかの問題だと思うので。東海大学は去年優勝して結果も出していますし、筑波大学はずっと前から強いですけど、そこに気後れしてはいけないと考えています。
―今シーズンの飴谷選手自身の目標、チームとしての目標をそれぞれ教えてください。
僕個人としては大学バスケ界で良いスタッツを残せる選手ではないと思っているのですが、それでも数字で表れないところ、ディフェンスだったり、リバウンドだったり、泥臭いプレーが自分の持ち味だと思っているので、その部分でチームに貢献していければなと思っています。また、チームの目標は、今首位を走っているので、このままの勢いで最後まで走り切れればと思っています。でも長いリーグ戦なので、どこかで崩れることもあると思うんです。勝ち負けだけではなくてコンディションだったり怪我人が出てきたりとか、でもそういうアクシデントもチーム全員でカバーし合いながら、なんとか最後1位にたどり着ければ良いなと思っています。
―今年からポイントガードの役割を担う場面が増えていると思いますが、そのあたりはどうですか?
そうですね。チームとしても浩陸さん(中村浩陸…四年PG)に掛かる負担を少しでも減らしていければと考えているので、僕がボール運びだけでも出来れば浩陸さんがコンスタントに得点を取ってくれますし、チームのバランスとしても今年はそういう役割が増えたのかなと思っています。また、ポジションアップしていくことは僕にとっても挑戦というか、大学バスケだけで終わりたくないと考えるようになったので、徐々にスモールフォワードの役割からポイントガードの動き方にアジャストしていければ良いかなと思っています。そこは西尾さんの言葉を信じて対応していけば、更に上のステージを狙っていけるのではないかと思って取り組んでいます。
―飴谷選手がポジションアップを具体的に意識し始めたのはいつ頃ですか?
強く意識したのは今年からかもしれません。一年生の時はむしろずっとパワーフォワードをやっていて、二年生でスモールフォワードを、三年生になって初めて代表活動に参加させてもらうようになって、その時に佐古さん(佐古賢一…現日本代表アシスタントコーチ)から「もっと狙っていかないと駄目だよ。一度でも良いから自分のチームでトライしてみなさい」とアドバイスをされたことがきっかけだと思います。そこからポジションとか自分の挑戦ということに対して意識が変わってきたりして、シュートも苦手ではあるんですけど、それでも挑戦してどんどん打っていこうとしています。
―チームメイトや西尾監督からはどんな役割を求められていますか?
去年のチームはタレントが多くて、熊谷さん(熊谷航…シーホース三河)やビリシベさん(ビリシベ実会…青森ワッツ)がいて、控えから浩陸さんが出てきたりだとか、凄く能力の高い選手が多くいたチームだったと思います。それに比べると今年は得点を取る選手がいなくなってしまった部分があるかなと思っています。今年は今年で別の選手が活躍してはいるんですけど、その中でも得点を取って欲しいと思われていると感じますし「ここ一番という時に任せられる選手になれ」と西尾さんには期待していただいていると思います。…多分、自分では…
―言葉では直接言われないのですか?(笑)
うーん、言われることはありますけれど(笑)直接的に言われるよりかは、僕のいないところで言ってたりするらしいです。だから人づてに西尾さんが「この前こう言っていたよ」と聞いたりして…(笑)そんな感じです。
―西尾監督もプレッシャーにならないよう、敢えて直接的に言わないのかもしれませんね (笑)先ほど話に上がりましたが、5月にはU22代表活動に参加し、李相佰杯のメンバーにも選出されましたね。初の代表活動はどんな感じでしたか?
初めて代表候補に選ばれた時は、かなり驚きました。だけど嬉しさもありましたし、両親からも「やれるだけやってみなさい」と言われて、気を引き締めて参加したんです。練習はどんな雰囲気なのかなと思っていましたけれど、考えていたよりもスムーズに雰囲気に溶け込むことが出来たというか、チームの雰囲気も良くて、とても楽しかったです。結果としては最終選考で僕は落選したんですけれど、西田選手(西田優大…東海大学)の怪我により、追加招集で選んでいただきました。だけどとても良い経験が出来たと思いますし、彼らと一緒にプレーすることは凄く良い刺激になりました。
―代表では皆さんにいじられるというか、愛されキャラだったようですが、ご自身ではあの立ち位置は想定内でしたか?
いや、あれは完全に想定外です(笑)ただ、代表活動の直前に怪我をしてしまったせいで練習を途中で抜けたり、プレーで貢献することが出来なかったので、チームの雰囲気が良くなれば良いなということは考えていました。やっぱりバスケットってチームの中に盛り上げ隊長的な選手が必ず一人いて、練習とかでも空気が重くなる時もあるので、そんな時に自分が馬鹿をやることで雰囲気が良くなってくれたら良いなと思い、ふざけていたらいつの間にかいじられキャラになってしまいました…(笑)大東ではああいうことは全くやらないですよ!(笑)
―そんな深い意味が込められていたんですね。それではここからバスケット以外のことを聞いていきたいと思いますが、オフは何をして過ごすことが多いですか?
練習がオフになる日と大学の休みが重なることが多いんですけど、結果的に何処かに行くというよりかは、普通に体育館に行き、シューティングしたり、ウェイトトレーニングをしたりしていますね。後は富山の地元の友達がこっちに来てくれることがあるので、その時はご飯を食べに出かけたりはします。
―富山からわざわざですか?
はい。地元の皆が僕を応援してくれていて、結構来てくれるんです。だから皆でご飯を食べに出かけることが多いですね。
―今流行りのテラスハウスは見ていますか?
テラスハウスはあんまり見ないです(笑)あっでも「バチェラー」は凄く好きで見ています。バチェラーは婚活の話なんですけど、20人の女性が一人の男性を奪い合うという恋愛バラエティーで、あれには結構はまっています。最新話が更新されるのが楽しみですね。面白いのでお勧めですよ。
―大東文化あるあるがあれば教えてください。
うーん…罰ゲームがありがちなところですかね。
―どんな罰ゲームなんですか?
僕らバスケ部は寮生活をしているんですけど、遅刻とかをしてしまうと、罰ゲームとして食事の後片付けをやらなくてはいけないんです。それが本当にキツイですね…
―お皿洗いですか?なんだか想像していたものより可愛い罰ゲームですね(笑)
いや、40人分の食器を毎日洗うとかキツイですよ(笑)凄い量の食器ですし、皆も好き勝手に食べるので…(涙)あれは辛い罰ゲームですね。罰ゲーム以外の大東あるあるだと“留学生のクセが強い”ですかね。一人一人個性が強くて、面白い選手も多いので、これも大東のあるあるだと思います。
―色んな個性の選手が多く集まる大東文化大学はとても楽しそうですね。そういえば飴谷選手が大東文化大学に進学した理由は西尾監督からスカウトがあったからですか?
はい。僕は富山工業高校出身なのですが、その時に西尾さんに声を掛けていただきました。でも実は、高校入学当初はバスケに対して前向きな姿勢ではなかったんです。確かにバスケットはしたかったんですけど、高校三年間好きなバスケットを頑張って、卒業したら地元で就職をしようかなと考えていました。でも下の代に今大東に進学している浜子という選手を僕が富山工業に誘って、そうしたら浜子の影響力が凄くあり、県内でも上手い選手が結構集まってきたんです。それで富山県でも優勝することが出来て、インターハイ、ウインターカップにも出場することが出来ました。その辺りから、段々自分自身も人に見られる機会が増えてきて、色んなところから声を掛けていただくようになったんです。その中で西尾さんからも声を掛けていただきました。
―そうだったんですね。その時の西尾監督はどんな印象でしたか?
西尾さんは話術が凄いんですよ。西尾さんが色々と説明してくれたりするんですけど、自分には全てが良く聞こえましたし、その時に「大東文化大学でバスケットをやりたいな」と強く思いました。それで地元で就職することをやめて、バスケットに対して真剣に取り組むために大東文化大学に進学しました。
―じゃあ今も飴谷選手がバスケットボールを続けているのは西尾監督のお陰なんですね。
そうですね。大東文化大学に誘っていただけたことに凄く感謝していますし、西尾さんの下だからこそ、高校時代にパワーフォワードやセンターをしていた僕が今ではポジションアップをして、U22の代表にまで呼んでいただけたんだと思っています。
―では最後に、バスケットボール選手としての飴谷選手の今後の目標を聞かせてください。
今、大学三年生として関東一部リーグという舞台でバスケットをやらせていただいていますけど、卒業後の目標としてはBリーグに進んでプロ選手になりたいと思っています。そしてBリーグの中でもしっかり活躍出来る選手になりたいです。
―ありがとうございます。残りのリーグ戦も頑張って下さい。活躍を応援しています。
ありがとうございました。

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