文京学院大学女子高等学校バレーボール部 富澤 結花選手/長内 美和子選手/レラ 留奈選手/北川 茉奈選手
文京学院大学女子高等学校バレーボール部
富澤 結花/長内 美和子
レラ 留奈/北川 茉奈選手 インタビュー

「1番だから春高にいく意味があると思うので。2位じゃ駄目です。」
そう力強く語ってくれた北川キャプテン、チームにとって絶対的なエースの長内選手、ここぞというタイミングで頼りになる富澤選手や、様々なポジションを器用にプレーするレラ選手、文京学院高校3年生の4名にロングインタビューをさせてもらった。
2015年8月に行なわれたインターハイで心に残っている思い出から、バレーボールに対する真剣な話、普通では考えらえないエピソード“文京あるある”まで出てきて話はどんどん膨らんでいき…
18歳、リアルに東京オリンピックを意識出来る年齢の彼女達は日々どんなことを思い、考えバレーボールに向き合っているのか、飾らない彼女達の魅力に迫ります。

取材日:2015年9月11日

―インターハイ、本当にお疲れ様でした。本日はインタビューさせて下さりありがとうございます。今日は楽しくみんなの話を聞いていければと思います。
それでは早速ですが1人ずつ自己紹介とインターハイの感想を聞かせてもらえればなと思います。
富澤:富澤 結花3年生です。ポジションはレフトです。
インターハイは、大会に入る前から色々事件がありまして(笑)
まず、美和子が(長内選手を見て)ちょっといなくなってしまって…練習中にいなくてですね。エースで1番大事な美和子がいなかったので、本当にチームがバタバタになったっていうこともあって。それで直前合宿は、酷かったんです。(一同うなずく)
上手く自分達で調子を乗せていくことが出来ないまま大会に入ったので、不安が一杯だったんですけど、でもまぁ色々あって美和子も帰ってきて、チームが安心した部分はあって。
私的にはインターハイは(大きな)大会なのでこの瞬間はもうないと、いつも思っているので楽しく、とにかく楽しくやろうと思っていて。それで試合はきつい試合も一杯あったんですけど、楽しいなぁって思いながらやっていました。
1番良かったことは、柏井に勝ったことです。
―柏井高校との試合には何か特別な思い入れが?
富澤:柏井は、直前の大会でもずっと練習試合をやっていたし、今週も練習試合をやるくらい学校同士が凄く仲が良くて。
柏井の選手の子達とも仲が良いので、本番の試合でも仲が良い子が目の前にいるんですけど、手を振ってしまうくらい仲が良いのに、対戦する敵だからちょっと『うぅっ』て思いながらも、勝てて良かったです。
―それは良かったですね。富澤さんありがとうございました。では次は帰ってきたエースの長内さんの感想を聞かせて下さい。
長内:長内 美和子3年生です。ポジションは今はレフトです。
インターハイ前にちょっと喉の方を痛めてしまって病院に行ったらその日に『すぐ入院して下さい』くらいのレベルで。
それで1週間くらい部活にも行けず、外にも出られないで、ずっと。
レギュラーが先に合宿に行ったんです。その間Bチームとか1、2年生の方で関東私学の試合があったので、そっちの方に私は出させてもらって。
でもやっぱり1週間も動いていないと流石にそんなに動けなくて、チームに戻ってもやっぱり戻ったばっかりだともう、酷い試合を…
酷かったのがもっと酷くなってしまうぐらい、本当にやばくて(笑)
インターハイ初戦の相手が富山第一高校さんだったんですけど、合宿に参加しているんですよ。それで初戦で当たるっていうのもあって探り合いもありつつ、やっぱり勝たないと安心出来ないし。富澤が言ったように不安でしたね、最初は。
それでインターハイ初戦、富山第一戦でまたアクシデントがあって私に(一同爆笑)
足の方に、足がちょっともう…アクシデントばっかりなインターハイで。
でも今までにないくらいこのチームで1番楽しく試合が出来て、本当に高校生活の中で1番良いっていうか、これから春高でもっといい思い出を作りたいと思いますけど、1番良い思い出になりました。
九州文化さんとも当たらせてもらって本当に勉強になることが一杯あって、私達に足りない部分とかもハッキリ分かって。課題とかもハッキリ分かったのでそれを練習で意識しながら春高でやっぱりリベンジしていきたいです。
―長内さん、ありがとうございました。では次にレラさんに感想などを聞かせて頂きたいと思います
レラ:レラ 留奈3年生です。ポジションは、えっとインターハイ前はずっと2セッターで練習していたんですけど、本番に私ともう1人のセッターのトスが上がらなすぎて、それでセッターごと変わってしまって試合をやったんですよ。
―ではインターハイでレギュラーだった選手は元々セッターではなかったのかな?
レラ:いや、セッターだったんですけど試合に出ていなくて合宿中もダッシュさせられていた子で、練習していなかったんですけど…私ともう1人の子が出来なすぎて急遽その子がセッターになって、それで私が全然何も出来なかったので、春高ではちょっと役に立つように頑張りたいと思います。
富澤:短か!!
(一同爆笑)
―ええと、インターハイは急遽ポジションが変わったということですが、元々はどこのポジションをやっていたのですか?
レラ:元々は、なんていえばいいんだろ、ポジションが決まっていなくて分からないんですけど。
富澤:なんか色んなフォーメーションがあって、2セッターの時、1セッターの時、レラが1セッターの時とか、もう1人の子が1セッターの時とか色々あって。
北川:練習試合でやっていたメンバーと試合がガラッと変わったという話です。
―直前のポジションが全部変わるなんて想像しただけでも大変そう。高校バレーあるあるなんですかね?
長内:いや、文京学院あるあるだよね。
―文京学院あるあるなんですか?(笑)じゃあポジション何でも出来るけどあなたはインターハイではミドルブロッカーでいきなさいと、言われた時は…
レラ:いや、言われないです。
―え!言われない?
レラ:言われないで試合前の10分くらい前にローテーションがきて、ああ今日ここなんだって。
―10分くらい前に!?文京学院さんはそんな感じなんですか?
一同:はい…(笑)
北川:でも、結構特殊だったよね、今回は。
富澤:そうだね。
―そうなんですね、みんなの中でも今回は結構特殊だったと
富澤:なんかエースの美和子が出ない試合とかもあって、えっ美和子出ないの?とか。
長内:あ~足の方でちょっと…
―そうでしたね、足のアクシデントがあったんですよね
富澤:でもインハイ前はレラ凄い調子良かったよね。1番調子良かったんですよ。
北川:長内がいない時に、エースがいないので他がやらなきゃいけないじゃないですか。
富澤:基本的に私とレラと北川がスパイカーなんですけど、調子良くて(笑)すっごく決まっていたんですけど、美和子が返ってきてから急におかしくなって。
レラ:トスが、全然合わなくて、なんか色々考えているうちに訳分からなくなってしまいました。
―みんなそれぞれ好みがありますもんね。選手が変わると難しいですよね。
でもレラさんは色んなポジションをこなせるという器用なプレイヤーということが良く分かりました。(笑)では最後にキャプテンの北川さんに話を聞いていきたいと思います
北川:北川 茉奈3年生です。ポジションはセンターとライト、まぁその時によって変わるんですけど。
―文京あるあるで変わるんですね(笑)
北川:はい、文京あるあるで(笑)
インターハイ、でもやっぱりたくさんの不安を抱えてのインターハイだったんですけど、実際舞台に立ったらやらなきゃいけないじゃないですか。で、多分皆それぞれ緊張とかもあったと思うんですけど、なんかもう楽しくて勝手に、1人で。勝手に楽しくなってきちゃって(笑)あぁこんなボロボロで練習試合とかやってきたのに、なんか楽しくなってきちゃって、アドレナリンが出まくってしまいました(笑)
北川:それで色んな試合をして、色んなチームとやって結果的にはちょっと残念だったんですけど、あそこのコートで決勝に残ったっていうのは特別じゃないですか。やっぱりあそこに立てたことは全国のチームで2校しかいないし、そこでしか経験出来なかったことって色々あると思うので、そこは春高に繋げる。持っていけるような日々を送らないといけないなと。3年生は特に最後だからやるしかない、頑張るしかないって思います。
―ありがとうございました。頑張って下さい。
話は変わりますが、見た感じ皆さんとってもキャラが濃そうなんですけど…
北川:よく言われるんです。中学生の時からもうずっと思っています私。
―中学生の時から北川さんはキャプテンをやっていたんですか?
北川:そうなんです。
―どうやってこの個性的なメンバーをまとめているんですか?
北川:うーん…まとまってた?(他の選手を見ながら)
一同:うーん(笑)
―インターハイの時とかは大会前にキャプテンから何かありました?
北川:その都度その都度ですね。大きい舞台が初めてではないのでもう、みんな大会への臨み方とか分かっているから。ああ大丈夫かな~とかの変な不安は思わなかったけれど、やっぱり大会入る前の練習試合などが、チームになってないかなっていう感じはしていてからの大会だったので。そうですね、そこの反省点とかが全部直って春高にいければ、強いかなって思います。
―頑張って下さい。では吉田監督の話を聞いていければと思います。
何か監督について印象に残っている思い出などありますか?
富澤:柏井戦の前に『お前達はここで負けるから、これが決勝だと思え』って言われた時は、よし、頑張ろう!って思いました。
―名言ですね
北川:多分、柏井戦がヤマだと思っていたのかな。
富澤:自分達もそう思ってたよね。合宿中、ボロボロで全敗だったんですよ。美和子がいてもいなくてもボロボロで。最後富山第一さんにも負けて、直前練習は監督にボールを触るなって言われたりして。
北川:試合前に練習会場借りれて練習とかするんですけど、時間が決まっていて限られた時間しか出来ないんですよ。それも目一杯出来ず、私達がダメダメで怒られて。
レラ:怒って練習会場に来なくて。
―吉田監督の厳しい一面が見えてきましたね。
でも、その柏井高校との試合前にここで負けるって言われたことで、なんか吹っ切れる部分があったのかな
富澤:でもずっと負けるって言われていたからね、今思えば。
北川:でもずっと負けるって言われていたけれど、柏井に負けたくなかった。でも確かに凄い強いんですよ、柏井は。だけどずっと対戦していて絶対負けたくないからなにくそ!みたいな。お互い手の内は知ってたから大変だったんですけど。吉田監督については…(笑)
―練習中は普段の楽しい雰囲気のまんまなんですか?
北川:いや、あのまんまではないです。
―もっと緊張感のある?
長内:吉田監督が体育館に入ってくるだけで空気が変わります。
―普段の、皆と楽しく喋る雰囲気とはまた切り替えていらっしゃるんですかね
一同:うーん…
―あれ?(笑)でも怖いっていうイメージよりかは楽しいイメージですか?
北川:そんなことない…
富澤:なんか、やばい。
北川:傍からみたら面白いかもしれない。
―やばい?傍からみたら面白い?なんだか、だんだん収集がつかなくなってきましたね(笑)
北川:うーんでも教えてくれるのはバレーのことだけじゃないです。社会で通用しそうなことを教えてくれます。
富澤:うん。それが1番!他の先生にはない部分だと思います。
北川:普段の生活の振る舞いの仕方とか、バレーだけじゃない所をうるさく言ってくれます。
―バレーボールのことだけじゃなく、たくさんのことを教えてくれる素敵な先生ということですね!では、最後に春高に向けて頑張っていることを教えて下さい。
では最初に富澤さんからお願いします
富澤:私達はみんな身長が小さいので、凄く体格の差が激しいじゃないですか。成徳さんとか八王子実践さんとか。大きくて一生懸命トレーニングしたら、やっぱり勝てないんですよ、力、高さで。そういう部分で取り入れているトレーニングを頑張っています。
西山先生っていう体育の先生なんですけど、トレーナーさんが大きい選手にも負けないような身体づくりをしてくれていて。バランスボールとか道具を使ってトレーニングしてくれて、随分変わったよね。
―結果が…
富澤:コミットしている(笑)
(一同爆笑)
長内:意識的にも変わったよね。バレーボールに対する意識が変わりました。
富澤:そういう所を頑張っています。
―ありがとうございます。次は長内選手頑張っていることはありますか?
長内:私個人的には私がレセプションをすることが大事だと思っているんですよ。インターハイの時は後ろにいたけどそんなに取ってない。私に取らせたら皆が怒られてて(笑)
やっぱりレセプションは自分自身が出来たほうが色々皆も動けると思うので。個人的にはそういうレシーブ面を頑張っていこうと思っています。チームではやっぱり文京はコンビバレーなんですよ。今はちょっと違うかもしれないですけど(笑)今はコンビというか普通のオープンバレーとかになってしまっているかもしれないですけど、それをちゃんとコンビバレーにしていきたいなっていう風に思います。そのためにもレシーブが大事だなって思うので、サーブで崩してレシーブで拾って、コンビを作っていければ良いなって思います。
―それは今の自分達の戦っている方法よりも文京学院だからこそのコンビバレーっていう部分にこだわりがあるのかな?
北川:小さいとオープンだけだと勝てないんですよ。速さが必要だから、コンビとか使って色んな所から攻められないと難しいんですよね。
富澤:相手が大きいから、やっぱり速さとか、騙して動かさないと中々決まらないので。
―そういうことなんですね。長内さんありがとうございます。ではレラさんはどうですか?
レラ:春高に向けて、インターハイで出来なかったことを出来るようにしたいです。
富澤:もっと具体的に~(笑)まとめてくるね、今日は。
レラ:レシーブとトスとスパイクとブロックとサーブ…全部出来るように。自分が変わらないと勝てないので、頑張って練習して勝てるように頑張りたいです。
―頼もしいですね。最後に個性的なメンバーをまとめているキャプテンの北川さんは如何ですか?
北川:さっき吉田監督がこれからの課題を言っていたのですが(吉田監督のインタビューでも春高バレーに向けて目標を聞いた)それはもうみんな分かっているので、そのことをもっと極めないと上手く回らないと思うので。春高までの練習でどれだけそれがみんな出来るようになっていけるかっていうことと、あともっとチームに一体感が欲しいんですね、私は。だからチームが一体感を持つために何が出来るかっていうのを多分もっと1人1人が考えて行動していかないと春高に間に合わないので。もっとグッと1つのチームにまとまれるように。それを東京予選でまずやって1番になって春高にいきたいんで、東京の中で。
―2位通過では駄目だと
北川:2位じゃ駄目ですね。万年2位は卒業しよう、皆で。
長内:色んな大会が2位なんです。
北川:1番になって春高にいくっていうのが、多分1番だから春高にいく意味があると思うので。まずは東京予選から勝負だよね、11月に。その前に9月もあるんですけど、そこはパパッと。
富澤:パパッとじゃなくてちゃんと!
北川:ちゃんとパパッとだよ!
9月の試合は、多分この大会が最後になるチームもいると思うので、そこに想いをかける3年生がいる訳で、それに余裕を持ってやっていると絶対駄目なので。
真剣にいきましょう。真剣にしっかり勝って11月に繋がる試合を9月でやらなきゃいけないので。春高、春高なんですけど近い試合から全部、ちゃんとやっていきたいです。
―そうですね、3年生はこれが高校生活で最後の大会になりますしね。
みなさん、本日は貴重なお話を聞かせてくれてありがとうございました。それでは東京予選頑張って下さい!
※9月23日の春高予選は見事勝利し、文京学院大学女子高等学校はベスト4に進出。
11月21日に上位4チームが参加する東京都代表決定戦で下北沢成徳高校と対戦する。

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