インタビュー

選手、指導者、チームスタッフ、報道関係者など、スポーツに携わる様々な方へのインタビューをお届けします。

白鷗大学 男子バスケットボール部
網野 友雄監督 インタビュー

(※本インタビューは「網野友雄のSKILL UP MENU For BIG MAN」撮影後に行なわれたものです)

第89回目となるトップ指導者&選手特集では「網野友雄のSKILL UP MENU For BIG MAN」の収録後に行なわれたスペシャルインタビューをお届けします。
DVDの収録を終えた直後の感想やドリルの誕生秘話を皮切りに、現代のビッグマンに求められるスキルや傾向、網野氏が大学チームを指導することになった経緯などをたっぷりと語っていただきました。

取材日2019年1月20日

―この度はDVDの撮影にご協力くださり、ありがとうございました。まずは収録の感想をお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。
こちらこそありがとうございました。こういった試みは初めての経験だったので、きちんと出来ているか、不安です・・・(笑)
―今回の撮影では、ビッグマンのためのスキルアップドリルを紹介いただいたのですが、このようなドリルはどういった経緯で生まれたのでしょうか?
そうですね、現役時代に自分がポジションを上げていったのは、プロに入ってからのことなので、その時に必要だと感じたスキルを基にドリルを考えたりしました。あとは指導者になってからバスケットを見る目が凄く変わったのですが、選手を見ていてこういうことが出来たら良いなとか、若い頃に出来ていれば良かったなと思うことも沢山あり、そのあたりのことを考えながら、ドリルなどは作っています。
―このDVDを見る選手に、どのようなところに着目して見てもらいたいですか?
今回はビッグマン向けのスキルドリルを紹介させてもらったのですが、例えば身体が大きい選手であったとしても、積極的に色々なことに挑戦して欲しいということですね。身体の大きさはバスケットにとって凄く有利になると思います。だからこそ、その選手がオフェンスでゴールへの最短距離を狙えるのか、そうではないのかによってチーム状況が変わってきます。ローポストであってもコースがあいているのであれば迷わずドライブする、ゴールにアタックする方が良いと思いますし、それはウィングやハイポスト、どのポジションでも同じことだと思うのです。そのあたりの選択肢やディフェンスとの駆け引き、コンタクトの部分をDVDでは見ていただきたいです。
―ありがとうございます。続いての質問ですが、バスケットボール界では大型選手のプレイに大きな変化があらわれていますね。日本バスケットボール界でもそのような動きが進んでいるかと思いますが、その点について網野監督はどのようにお考えでしょうか?
そうですね、国内でも選手の大型化という流れがありますが、中でも「ポイントガードを大きくしよう」という動きが強いかなと感じることがあります。僕個人の意見にはなりますが、ポイントガードというポジションは専門職の要素が強いポジションなので、ガードではなく2番や3番の選手を大きくしていくことが大事なのではないかと考えています。身体の大きな選手に2番3番の動きを指導し様々な動きを身につけることで、世界の強豪にも当たり負けしないようなラインナップが作れると良いかなと思っています。
―中学校や高校、アンダーカテゴリーの段階から身体の大きな選手たちに2番や3番の動きを指導する必要があるということでしょうか?
はい。是非どんどん指導して欲しいと思います。もちろんチーム事情もそれぞれあると思いますし、試合に勝つためには大きい選手にゴール下にいて欲しいと思うことは当たり前のことだと僕も理解しています。ですので、そこは継続させつつも、もし可能性があるのであれば、少しでも外のプレイを指導していただければと思いますね。そういったプレイを覚えておけば、その後ポストプレイを活かすためのアウトサイドの動きに転換していくことが出来ます。
―少しずつでもプレイの幅を広げることが大切なのですね。
ポジションが違っていたとしても同じバスケットですので、そこまで切り離れた動きをするわけではないと思います。例えばアウトサイドだからといって全く違うプレイをするということではありません。僕の経験ですが、外からドライブを仕掛ける時に「ポストプレイをするような意識でプレイしなさい」と指導されたことがあります。そこにはポストプレイしか出来ない選手ではなく、ポストプレイを活かすための様々なオプションを持っている選手になって欲しいというコーチの意図があったのだと思います。アウトサイドであってもインサイドであっても同じバスケット、プレイは全て繋がっています。ですので、指導者の方々には選手たちに様々なチャレンジをさせてあげて欲しいなと思います。
―ありがとうございます。話は少し変わりますが、網野監督がバスケットボールを始めたきっかけを教えていただきたいです。サッカーをしていたということを聞いたことがあるのですが、どうしてバスケットを始められたのでしょうか?
はい。子どもの頃はサッカーをしていました。バスケットを始めたきっかけは背が急に伸びたことが一つの理由ですね。
―急激に体型が変わったのですか?
はい。中学校3年間で30センチくらい伸びました。成長痛とかはあまりなかったのですが、毎年10センチくらい伸びていき、中学3年生の時には既に190センチくらいありました。更に僕はスラムダンクに影響を受けた世代だったことと、ロサンゼルスオリンピックのドリームチームの存在もあって、当時、日本全体にバスケットブームが起きたこともバスケットを始めた理由です。でも僕はサッカーをずっとやっていましたので、中学時代はそのままサッカーを続けていたのですが、身体に変化が起きたことも含めてチャレンジしてみようかなと思い、高校からバスケットに転向した感じです。
―網野監督がバスケットを始めたきっかけにはそんなエピソードがあったのですね。その後網野監督は東海大学菅生高校でバスケットを学び、名門日本大学を卒業した後はトップ選手の仲間入りを果たされます。トヨタ、アイシン、ブレックスと名だたるチームで活躍され、日本代表としても華々しいキャリアを積まれましたが、34歳という若さで引退されました。その決断された理由をお聞かせください。
引退を決断した理由ですか…当時の僕としては怪我もなく、身体の状態は問題ありませんでした。実は引退を決める少し前にご縁があって、選手生活を送りながら母校である日大でコーチをさせてもらっていたことがありました。その時に自分の指導を素直に聞き入れ、どんどん成長する学生たちを見て、人に指導する喜びを強く感じる経験が出来ました。もともと僕は選手を引退した後は指導者になりたいと考えていたのですが、実際に日大で教え出した頃から、自分が選手としてプレイする喜びより、人に教える喜びの方が大きくなっていったかなと思います。現役最後のシーズン中には、指導に対する気持ちが完全に勝っていたので、その時にはもう選手を引退して、次のステージに進もうと思ったことが引退を決断した理由です。
―新たなやりがいを見つけられての決断だったわけですね。しかし現役を続けている同年代の選手や、3×3などで現役復帰をされた選手もいますが、網野監督は復帰を考えたりすることはないのでしょうか?
正直、一度も復帰を考えたことはありません。引退した直後に周囲の方には「網野さん、うちのチームで復帰しませんか?」と誘っていただいたことはありますけれど、復帰を考えたことはありませんでした。「もう次に進むんだ」という決意で引退を決めていたので、復帰は考えませんでしたね。ただ、タケさんが(竹田謙選手、現・横浜ビー・コルセアーズ所属)復帰された時は、その影響からか、ファンの方々から「次は網野さんの番ですね!」ということを言われました(笑)だけど全て丁重にお断りをさせていただきましたよ(笑)
―まだ思っている方はいらっしゃるかもしれないですよ。
いやいや、もう無理ですね(笑)
―少し話は戻りますけれど、先ほど「もともと指導者になりたかった」と仰りましたが、それはいつ頃から考えられていたのでしょうか?
具体的に指導者を意識したのは確か高校3年生の時だったと思います。当時どの大学へ進学するかとか、将来のことで悩んでいた時に、恩師でもある近藤先生から「自分の行きたいところに行きなさい。だけど将来のことも含めて教員免許を取得できる大学を選択して欲しい。そしていつか、先生になって菅生高校に戻って来てくれよ」と言っていただいたことがありました。その時に指導者として菅生に戻ってくることを近藤先生と約束したんです。具体的に指導者になる姿をイメージしたのはその頃ですね。でも結局、高校ではなく大学の指導者になり、菅生ではなく白鷗大学で指導しているので、近藤先生には少し申し訳ない気持ちになりますけれど…
―そんな!先日近藤先生にお会いした時、今の網野監督のご活躍を喜んでいらっしゃいましたよ。ですが、どうして高校ではなく大学で指導をされようと思われたのですか?
それに関しては色々と思うことがあったのですが、日大で指導していた頃、大学生を指導することが楽しいなと思ったことがまず一つの理由です。そして今の日本バスケ界の現状を考えると、選手たちは大学を経由してプロ(Bリーグ)へ進んでいきますので、この世代を更に強化していかなければ日本のバスケットは強くならないのではないかという思いもありました。
―大学カテゴリーを強化することが日本バスケットボール界にとって大切だと思われたのですね。
はい。正直に言わせていただくと僕はこの世代の強化がとにかく必要だと感じています。 世界大会などでもユニバーシアードでは中々勝つことが出来ていませんし、アンダー18までは世界選手権に出場することが出来ますが、その上の年代になると状況は変わってしまいます。多分それは日本の大学に関する環境や様々な要因もあるかと思いますが、この世代を強くして、世界大会などでも成績を出していくことが、日本バスケットボール界全体を盛り上げていくことに繋がるのではないかと思い、大学カテゴリーで指導をしたいと考えるようになりました。
―現在は白鷗大学で教鞭を執りながら、男子バスケットボール部の監督、宇都宮ブレックスのアンバサダー、解説者という4種類のお仕事をされている網野監督の姿は今の現役Bリーガーやプロを目指す大学生にとって、憧れの存在だと思います。セカンドキャリアなどのことも含めて、後に続く選手たちにどのようなアドバイスを送りますか?
そうですね。まずは求められることを、“とりあえず何でもやってみる”ということじゃないでしょうか。多分選手たちは「僕はバスケットしかやってきていないから、新しいことは出来ない」とか、「分からない」と感じてしまうのかもしれませんが、周囲の人に“何か”を求められた時に迷わず挑戦してみるという気持ちは全員に持って欲しいと思います。それと選手たちには、チームのフロントスタッフ、所謂裏方と言われるようなスタッフの方々とコミュニケーションを積極的に取ってもらえたらと思います。自分がどれだけ恵まれた環境でバスケットをさせて貰っているのかなど、様々なことを知ることが出来ますし、知ることで、より色々なことに挑戦しやすくなると思います。選手たちにとっては凄く難しいことだとは思いますけどね。プレイをしている時は中々気づかないことが多いですし、僕自身も現役時代そこまで考えていませんでした。チームスタッフと積極的にコミュニケーションを取るようになったのは栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)に移籍した頃だったと思いますし、でもそれで色々なことに気づけたりしたことも事実なので、選手たちにはそのことを伝えたいですね。僕が言えることはそのあたりでしょうか。
―何事にも挑戦する勇気を持つこと、周囲の方とコミュニケーションを取り、自分を取り巻く環境を知ることが大切ということですね。ありがとうございます。それでは最後の質問になりますが、網野監督の今後の目標をお聞かせ下さい。
まず、せっかくこのような環境でバスケットに関われているので、自分自身の経験を白鷗大学の学生に還元して、日本一になれるチームを作りたいです。やはりこの世代を変えていかなければBリーグも廃れていってしまいますし、少しでも魅力のある選手を育てて、上のカテゴリーに送り出すということが身近な目標ですね。将来的なことを言うと、やはり日本代表の監督をやりたいと考えています。
―将来は網野ジャパンが見られるということですね。とても楽しみです。本日は貴重なお時間をありがとうございました。
ありがとうございました。

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