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フリーライター 青木 美帆氏
フリーライター 青木 美帆氏
フリーライター
青木 美帆氏 
インタビュー
<前編>

ティアンドエイチプレゼンツ~スポーツ好きなあなたへ贈る最新インタビュー特集~では、フリーライター/編集者としてスポーツ雑誌やWEBメディアで活躍中の青木美帆さんに、ロングインタビューを行ないました。インタビューの前編では、青木さんがライターを志した理由、ライターと編集者の仕事内容など、普段知ることの出来ない舞台裏エピソードをお届けします。

取材日2020年2月17日

青木美帆(あおきみほ)

高校生の頃にバスケットボールの試合を観戦したことがきっかけで、その魅力を多くの人に伝えられるライターになることを決意。早稲田大学進学後は早稲田スポーツ新聞会に所属し、バスケットボールの記事を中心に積極的な執筆活動を行なう。卒業後は、バスケットボール専門雑誌の編集部を経て独立、現在フリーライター/編集者として様々な媒体で活躍中の人気ライターである。

―青木さんがライターになりたいと思われたきっかけを教えてください。
明確なきっかけや年齢は覚えていないのですが、高校1年生の時には「ライターになりたい」と思っていました。当時の私は世界中を旅して、美味しい物を食べて、歴史に触れられる仕事がしたいという気持ちから、旅行ライターという職業をぼんやりと思い描いていました。もともと文章を書くことが好きだったので、それを仕事にしたいと考えたのだと思います。
―旅行ライターですか。しかし、青木さんと言えば様々なスポーツの記事を執筆されているイメージがあります。どういった理由で方向が変わられたのですか?
私は高校時代に野球部に所属していてマネージャーをしていたのですが、その時の活動が大きいかもしれません。マネージャーってスコアシートを書く仕事があるのですが、そのスコアシートの中に寸評欄という小さな欄があって、私は当時からその寸評を書くことが凄く好きだったのです。誰に見せる物でもないので、ただ自己満足で書いていたのですけれど、今日のチームは調子が良かったとか、だれがどう活躍したとか、そういった文章をひたすら書いていました。それと同じ頃、「熱闘甲子園」という試合のハイライトだけではなく、選手たちのエピソードや舞台裏を報道する番組を見た時に、初めて、スポーツ報道は“人にフォーカス出来るものなんだ”ということに気づきました。その影響を受けてからか、スコアシートの寸評欄も○○選手の調子が良かったとか、各選手の様子を書くように変わっていきました。
―野球部での活動がキーになっていたわけですね。
そうですね。具体的にスポーツ関連のライターになりたいと思うようになったのは、朝日新聞出版から発刊された「甲子園HEROES」という雑誌を読んだ時だと思います。その雑誌は熱闘甲子園と同じように「人」にスポットライトを当てる内容で、私はその中の、大差で負けていたチームが九回裏に一年生を代打で起用して、その選手がなんと満塁ホームランを打ったという、一瞬の出来事にフォーカスを当てた記事に感銘を受けました。この記事との出会いをきっかけに、私もこの記事のような、人にフォーカスを当てた記事を、野球を通して書くことが出来ればと思ってライターを目指し始めました。
そんなことで最初は野球の書き手になりたいと考えていたのですが、高校三年生の夏に、友人の誘いを受けバスケットの試合を見に行ったことがその後の人生の転機になりました。当時私は千葉県の高校に通っていたのですが、その年のインターハイが茨城県で開催することもあり、常磐線に乗って茨城まで試合を見に行きました。その時に見たバスケットが凄く面白いと感じたのです。それがきっかけとなり野球ではなく、バスケットの記事を書けるようになろうと決めました(笑)
―その試合はよほどのインパクトがあったのですね。バスケットのどんなところが魅力的だったのでしょうか?
これは私の感覚になってしまいますけれど、競技の特徴として動きの異なるところが魅力的に映ったのかもしれません。野球は「投げる、打つ、取る、走る」と、動きのバリエーションがある程度決まっている競技だと思うので、一人一人の動きは試合の展開を理解していれば予測が出来ると思います。ところがバスケットの動きって凄く多彩で、スピードに緩急があったり、コート上を縦にも横にも動くじゃないですか。右に走ると思わせて左に行くとか、人を騙すような動きがあったり、予測のつかない部分が、当時の私にとって面白いと感じた要素だったのかなと思います。
―その後早稲田大学へ進学されスポーツ新聞会に所属されるわけですが、この会に所属することは入学前から決めていたのですか?
はい。進路を決める時に自分のやりたい活動が出来る大学はどのくらいあるのだろう?と思い、調べていた内の一つに早稲田大学がありましたので、スポーツ新聞会に入ることは入学前から考えていました。他にも沢山の大学を受けましたが、縁もあり早稲田大学へ進学し、念願だった早稲田スポーツ新聞会に所属することが出来ました。でも早稲田スポーツ新聞会っていくつかの班に配属されて、複数の部活の記事を受け持たなければならないのです。ですので、班の配属が決まる時はバスケット以外の班に入れられてしまったらどうしようと、内心ドキドキしていたことを覚えています。一応、投票形式で希望を複数出せるのですが、万が一人気があって忙しい班に回されてしまったら、バスケットの取材に手が回らなくなってしまったり、そもそもバスケ班に配属されないのでは?と思い、第二希望、第三希望の欄には活動があまり盛んではなさそうな部を投票用紙に書いて提出していました。それが自分に出来る「私は絶対にバスケットの取材がしたいです!」という意思表示だったのです(笑)
―それは素晴らしい熱意ですね(笑)少し話が変わりますが、青木さんは大学を卒業後、編集部を経て独立されたと伺いましたが、どのような経緯があったのかお聞きしてもよろしいでしょうか?
実は大学を卒業して1年間くらいはフリーライターをしていました。と言っても沢山仕事をいただけていたわけではありませんので、空いている時間に知り合いの会社のWEBサイトで記事を書いたりするなど、様々な仕事をしていました。その後、出版社に契約社員という形で入社しましたが、そこではライターとしてではなく、編集者として働くことになります。その編集部では「中学・高校バスケットボール」という雑誌を制作していましたが、5年目に差し掛かるタイミングでその雑誌が休刊することになってしまいました。その時に色々と考えてみた結果、私自身も何か新しい仕事に挑戦するには今がベストなのかもしれないと思い、その編集部からの独立を決めました。その後は、現在のようにWEBや雑誌を問わず、フリーライターとしてお仕事をさせていただいています。
―今、青木さんが編集者として雑誌を作られていたと仰っていましたが、編集者とライターとは異なる職業なのですか?また、両者にどのような違いがあるのでしょうか?
私も駆け出しの頃はよく分かっていたわけでなく、編集部に入って初めて違いをきちんと理解しました。両者の違いは編集部やその媒体によって異なりますが、簡単に言ってしまうとライターは取材と記事を書くことが仕事で、編集者は編集会議や企画だし、記事発注、原稿整理、写真セレクト、レイアウト、校正と、雑誌を世に送り出すまでの全ての業務を担当します。出版社によっては編集とライターを兼業でやられているところもありますが、私が所属していた出版社は「編集者は編集のみ、記事は基本的にライターに依頼をする」というように、仕事内容が明確に分けられていましたね。
―媒体によって違いがあるのですね。編集者として青木さんは具体的にどのようなお仕事をされていたのでしょうか?
まず、編集部内で話し合いが設けられて「次のテーマは何にしよう」というところから仕事は始まります。特集テーマと企画が決まったら、ライターに記事の執筆依頼をして、取材のアポイントを取り、取材に同行し、ライターと原稿内容をすりあわせることが、記事が出来上がるまでの大まかな流れですね。
また、記事を書いてもらってからは、読者が難しく感じないように表現を変えてもらうなど、内容が一番伝わりやすくなるように修正作業を1~2回重ねていきます。更にこの「中学・高校バスケットボール」は技術特集がメインの雑誌だったので、記事内容を補足する写真やイラストが必要になります。そこで使いたい写真を取材時に撮らなくてはいけないのですが、選手にポージングしてもらうよう、指示を出すことも編集の仕事でした。
―制作に関する全ての業務を担当されていたわけですね。
そうですね。ディレクションという言葉を使うのですが、そういったことも編集部がします。記事だけではなくデザインも雑誌では重要な仕事になるので、イラストをメインにする内容だったらどんなイラストを使うかとか、レイアウトについても、ここにはコート図、こっちには選手の写真を入れたい等々、デザイナーと何度もやり取りを重ねて、校了まで持っていくという仕事です。
ただ、最近はWEB媒体で仕事をされるライターさんが多くなってきています。自分で企画を出して自分で取材して、構成やレイアウトを考えて見出しをつけるなど、全ての作業を一人でこなす人もいるので、“編集とライター”の役割が明確でない仕事も増えてきたように感じます。逆にその部分まできちんとやれるライターでないと今は生き残りが厳しいのかもしれません。それこそ今は、noteなどのサービスを使って、誰かに依頼をされずとも、自分で投稿した記事を売ることが出来ますから。そういう時代になってきたので、全てを自分でやれるくらいのバイタリティがあった方が、強いと思います。
後編に続く

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