真夏のビッグセール
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秋田市立泉中学校 男子バスケットボール部
小納 英之監督 インタビュー<後編>

インタビュー前編はこちら

1月に開催されるJr.ウインターカップ(U15バスケットボール選手権大会)への出場権を、チーム全員の力で掴み取った秋田市立泉中学校男子バスケットボール部。ティアンドエイチ最新インタビュー特集では、部を率いる小納英之先生のスペシャルインタビューをお届けします。
後編では変わりつつある部活動に対する考え方や、小納先生が指導者として大切にしていること、そして今後の目標などについて伺いました。

取材日2021年11月6日

―話は変わりますが近年外部指導員の導入や週休制度など、部活動のあり方が変わりつつあると感じています。その点について小納先生はどのようにお考えでしょうか?
現在の方針について反対するということではありませんが、やはり部活動でやれることは激減していると思います。泉中学校では冬期間は18時15分で練習を終了しなくてはなりません。また体育館にはコート2面分のスペースがありますが、体育館を使用する部活動が6つあり、平均的に練習はコート1面の1時間程度になります。更に週休2日のうち必ずどちらかは休みになりますので、ファンダメンタルや体を鍛えるということに対して、丁寧に取り組む時間はありません。ですから選手たちがそれを目的としてBリーグのジュニアユースチームで活動するという選択肢は正しいと思います。
しかし私としては、せっかく同じ学校に入学して部活動を選択したのであれば、仲間と共に自分たちにしかできないバスケットを作り上げ、それを試合で披露して、ともに喜び合うことが部活動の意義かなと思うのです。その中の役割が、リバウンド一本だったとしても3ポイント一本だったとしても、選手の心に残るものは大きいと感じています。また、子どもたちはやる気になればこちらが驚くほど勝手に成長します。今の部活動は“ゆとり部活動”なので、活動時間が短くなった分、余暇が子どもたちに預けられます。その時間に、学習塾に通おうが、YouTubeを見ようが、試合を見ようが、トレーニングをしようが、今自分がなりたい自分のために空いた時間を自主的に使えるようになれば、大人になってからも、いろいろなことに自主的に取り組めるようになるのではないかと思っています。
―多感な時期である中学生を指導する上で気を付けていらっしゃることがあればお伺いしたいです。
やはり言葉や伝え方には気を付けています。ただし嘘はつかないように意識をしていて、子どもたちには少しきついかもしれないけれど、「小さい」とか「遅い」など、「こういう能力が欠けている」という事実に対しては正直に伝えるようにしています。そして、それに対して子どもが落ち込んでしまった時には、伝え方に関して私から謝ることもあります。結局、子どもたちにとっても、伝え方が感情的にならず、冷静かつ客観的であれば「先生はこの事実を伝えてくれていて、僕をこういう風にしたいんだ」と受け止めてくれます。そうすればカッとなって怒ったりもしないし、傷ついたりもしないと思うんです。ただし、その伝え方を誤るために「明日の練習行きたくない」「あの先生怖い」とか「凄くキツイこと言われる」となってしまうのかなと思います。
また、子どもが落ち込んでいるなと感じた時には「どうしたんだ?」「昨日のプレーか?」と声をかけるようにしています。今日も招待試合で優勝するチャンスがあったんですが、終了間際にミスをしてしまい落ち込んでいた生徒がいました。この選手が笑ってベンチに帰ってきたら「ちょっと待ちなさい」と声をかけると思いますけど、この選手は泣いていて、自分のミスを理解していましたので「まあ良いじゃないか。今日は招待試合だし、これを次の試合で活かせるようにすれば良いんだ」というような感じで伝えるようにしています。
―小納先生が指導者として大切にしていることや、考え方を教えていただきたいです。
一番大切にしていることは、部活動を通して良い思い出を作ることです。それと、子どもたちにバスケット部にいる価値を教えてあげたいというか「ここにいて良かった」と感じてもらいたいと考えています。例えば、モップがけでも片付けでも、バスケ以外のところで頑張っている子どもを褒めて自己存在感を育むことは当たり前のことだと思うのですが、彼らはバスケットをプレーしに来ているわけですから、バスケットの中で成功体験を積ませてあげたいという気持ちが強くあります。また、そういう経験が一つでも増えることで「バスケットでできることはこれしかないけど、これを一生懸命やっていれば、この場所で皆に必要とされるんだ」という風に感じてもらえるのではと思い、日々の指導にあたっています。
―今後の目標をお聞かせください。
具体的な目標に関しては、1月に開催されるJr.ウインターカップ(U15バスケットボール選手権大会)で昨年優勝した城南中学校に続き、秋田県勢としての大会二連覇を成し遂げたいと考えています。簡単なことではないですが、秋田県代表として頑張りたいと思っています。
また抽象的な話をすると、私たちのバスケットを見て「こんな風にバスケットをやりたいな」「泉中学校のバスケットボールを真似したい」と思っていただける方が一人でもいてくれたら、それが一番嬉しいことかなと思います。
ですので、今回のビデオ出演も技術的に上手い選手がいるわけではないのですが、泉中学校のバスケットを誰かに見てもらって、ボールの動かし方や選手の見つけ方など、そういう部分から「こんなに普通の子どもたちでも、頑張って工夫をすればチームは作れるんだ」ということをお伝えできれば良いなと思っています。
―ありがとうございました。小納先生と泉中学校の益々のご活躍を応援しています。
ありがとうございました。

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