チームディフェンスの構築法~心と技術の両面からディフェンスを考える~
バスケットボールオンライン講習会レポート

講師 入野 貴幸 氏
東海大学付属諏訪高等学校男子バスケットボール部監督

2021年10月23日(土)に東海大学付属諏訪高校男子バスケットボール部監督の入野貴幸監督を講師に招き「チームディフェンスの構築法~心と技術の両面からディフェンスを考える~」というテーマのもと、オンライン講習会を行ないました。

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入野監督 冒頭メッセージ

入野監督こんばんは。東海大学付属諏訪高校の入野です。
本日はディフェンスの考え方をメインに講習会を開催していきたいと思います。
コロナ禍となり、この様な講習会が色々な所で行なわれていますが、オンライン講習会では中々発言をしたり、議論をして自分の考えを整理することが難しいなと感じています。
ですので、今回は出来るだけ皆さんにも意見を出していただきながら、思考を整理していけるような形式で講習会を行ないたいと思います。宜しくお願いいたします。

目次

  1. ディフェンスの考え方①
    皆さんでしたら、どのように教えていきますか?
    身体の姿勢!心の姿勢!/DefenseのTO、ミスは何ですか?
  2. ディフェンスの考え方②
    Physical contact 激しいディフェンス/守る順番/P-V-C/3つのポジション
  3. ディフェンスの考え方③
    Paint内のDefense/個人とチームの守り方
  4. ディフェンスの考え方④
    Transition Defense /PnR on ball Defense
    Off ball Defense/Defense Rebound
  5. ディフェンスの考え方⑤
    IHチームテーマ/Zone Defense
  6. ディフェンスの考え方⑥
    「刻苦精励」/コーチの心がけ
  7. 質疑応答コーナー
  8. 講習会の終わりに
  9. 結び

1. ディフェンスの考え方①

皆さんでしたら、どのように教えていきますか?
身体の姿勢!心の姿勢!/DefenseのTO、ミスは何ですか?


身体の姿勢!心の姿勢!
はじめにディフェンスを指導するにあたり入野監督が大切にしている「身体の姿勢」と「心の姿勢」という二つの姿勢について解説いただきました。

DefenseのTO、ミスは何ですか?
入野監督が考えるディフェンスのターンオーバーについて、参加された方の意見を交えながら解説いただきました。
そもそもスタッツに残らないディフェンスのターンオーバーとは…?
抑えておくべき3種類のターンオーバーについて具体的に語っていただきました。

2. ディフェンスの考え方②

Physical contact 激しいディフェンス/守る順番/P-V-C/3つのポジション


Physical contact 激しいディフェンス
目指している激しいディフェンスを実践するためには何が大切なのか…入野監督がキーになると考える3つの要素を紹介しながらフィジカルコンタクトについて紐解いていきます。

3つのポジション
ディフェンスの3つのポジションについて、指導者や選手がどのような意識の割合で守っているのか、ここでも参加された方々の意見を聞きながら、入野監督が考えるポジションに対する意識の割合について語っていただきました。

3. ディフェンスの考え方③

Paint内のDefense/個人とチームの守り方


Paint内のDefense
ここではバスケットの中で特に激しい戦いが繰り広げられるペイント内でのディフェンススキルを3種類ご紹介いただきました。またそれらのスキルをどのように練習に取り入れているか、具体的な例を挙げてご説明いただきました。

個人とチームの守り方
続いて個人での守り方とチームでの守り方について、基本となるディフェンスのルールをご紹介いただきました。
また後半では入野監督がガードの選手に求めるディフェンスの要素について語っていただきました。

4. ディフェンスの考え方④

Transition Defense /PnR on ball Defense
Off ball Defense/Defense Rebound


Transition Defense
ここではトランジションディフェンスについて解説していただきました。
特にトランジションディフェンスの入り口でもあるオフェンスリバウンドの考え方や、相手にコートを荒らされない戻り方、ミスを引きずり直ぐにディフェンスに戻れない選手へのアプローチなどをご紹介いただきました。

Defense Rebound
続いてディフェンスリバウンドに必要なスキルをご紹介いただきました。特に激しいコンタクトが避けられない現代バスケにおいて、以前の指導とは異なる考え方や指導ポイントなどを丁寧に解説していただきました。

5. ディフェンスの考え方⑤

IHチームテーマ/Zone Defense


IHチームテーマ
ベスト8という成績を残した今年のインターハイで東海大諏訪高校が掲げていたチームテーマについて語っていただきました。

Zone Defense
更に東海大諏訪高校が得意とするゾーンディフェンスに対する考え方やポイントを紹介していただきました。また、入野監督がゾーンディフェンスを用いる際の目的や、練習時から取り組むようになった意図なども解説していただきました。

6. ディフェンスの考え方⑥

「刻苦精励」/コーチの心がけ


コーチの心がけ
最後に入野監督がコーチとしての心掛けている考え方を紹介していただきました。

7. 質疑応答コーナー

参加者からいただいた質問の一部をご紹介します。

日本代表チームが目指す(男子 女子)ディフェンスのコンセプト、指導のポイント、具体的な強化方法、考え方、高校生や中学生にも落とし込めることがあれば共有させて頂きたいです。
うちの部員は毎日同じ練習をやっていると集中が持続しない傾向にあります。マンツーマンディフェンスを鍛えるために良い練習方向を教えて欲しいです。(いくつかのバリエーションがあれば嬉しいです。)
インターハイ、ウインターカップ共に大接戦を勝っています。そんな緊迫した試合の中でベンチでどのような声がけをしていましたか。冷静さも保つ必要もあったと思いますが、指揮の際にどのようなことを考えていたのか聞きたいです。
オールコートマンツーマンプレスで一番大切にしていることは何ですか?
15歳以下の子どもたちを教えているのですが、この年代における育成と強化のバランスについて入野先生の考え方を聞いてみたいです。
生徒との距離感についてお聞きしたいです。男子生徒ですが、生徒を叱る時のタイミングはどうされていますか?また、試合中タイムアウトでどのように声をかけているのか、入野監督が意識していることがあれば教えて下さい。
良いシューターの育成方法を教えてください。

8. 講習会の終わりに

長時間にわたりありがとうございました。本来であればもっと動画やドリルなどを皆さんはご希望されていたかもしれないですけれど、私が考える一番大事なことは、コーチのディフェンスに対する考え方だと感じています。今、練習ドリルは沢山ありますが「どういう考え方をベースに取り組んでいくか」ということがより重要だと思いますので、今回の講習会が先生方それぞれの思考の基軸を作るきっかけになってもらえれば良いのかなと思っています。
また練習メニューに関してもそうですが、ベースは変わらないにせよ日々進化し続けることが大事であるということ、バスケットに対して情報共有したりアドバイスをし合える指導者同士のネットワークを作ることが、コーチにとって凄く重要なのかなと感じています。皆様ともこれを機に繋がって、バスケットを共有していければ良いなと思っています。
また今後とも宜しくお願いいたします。本日はありがとうございました。

受講者様からのご感想
(一部記載させていただきます)

丁寧に講習を進めて頂いたように感じております。入野先生、ありがとうございました。

ディフェンスに対する考え方や取り組み方がよく分かりました。これからもチーム作り頑張ります。

インターハイでの実際のお話し聞くことができとても勉強になりました。またお話聞かせて下さい。

9. 結び

弊社が企画をするバスケットボールオンライン講習会としては3回目の開催となりましたが、今回の講習会では入野監督のご配慮もあり、参加してくださる方々とコミュニケーションを取りながら開催させていただくことができました。指導者の方々が日々どのようなことを考え指導にあたられているかなど、大変貴重なご意見をお伺いすることができ、弊社といたしましても学びの多い講習会となりました。
当日参加してくださった皆様、そして講義内容を考案し、更には参加者様からの質問一つ一つに丁寧に回答してくださいました入野監督に、改めて感謝申し上げます。 今後も様々なテーマに寄り添いながら、皆様にご満足いただけるような講習会を企画していきたいと考えております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

オンライン開催に際して、至らない点もあったかと存じますが、何卒ご容赦いただけますと幸いです。

講習会講師プロフィール

入野 貴幸

入野 貴幸
1982年生まれ。神奈川県出身。
東海大学付属諏訪高等学校男子バスケットボール部監督。 東海大学付属第三高校(現・東海大学付属諏訪高校)を卒業後、東海大学へ進学。当時低迷していた東海大学を4年次にはキャプテンとして牽引し関東大学リーグ一部昇格の立役者となった。大学卒業後は母校である東海大学付属第三高校男子バスケットボール部で指導者としてキャリアをスタートさせる。 就任5年目の2010年沖縄インターハイでは長野県史上初の3位入賞、2018年には東海インターハイ3位入賞、ウィンターカップベスト8の実績を残し、その理論的且つ情熱的な指導は全国から注目を集めている。

オンライン講習会の講師を務められた、東海大学付属諏訪高校バスケットボール部入野貴幸監督の指導DVDはこちらからご覧いただけます。

入野貴幸監督シリーズ第一弾!

東海大学付属諏訪高校 入野貴幸による 「効率的なファンダメンタル&ディフェンストレーニング」

全国大会で常に結果を残し続けている東海大学付属諏訪高校。チームを率いる若き知将 入野貴幸監督による、“効率的なファンダメンタルトレーニング”と“ディフェンストレーニング”が豊富に収録された本作は、カテゴリーを問わず全ての指導者に見ていただきたい珠玉の一作となっております。

入野貴幸監督シリーズ第二弾!

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マンツーマンディフェンスを崩すセットオフェンスの作り方というテーマのもと、東海大学付属諏訪高校が実際に全国大会で使用してきた選りすぐりのセットオフェンスを多数収録。「ディフェンスを崩す事が出来ず、思うように攻撃が展開出来ない」と悩みを抱える指導者に、是非ご覧いただきたい内容となっております。

入野貴幸監督シリーズ第三弾!

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入野貴幸監督シリーズ第四弾!

チームディフェンスの構築法~心と技術の両面からディフェンスを考える~

こちらのDVDには、ディフェンスの構築法をテーマに開催された、オンライン講習会の本編が完全収録されています。入野監督がどのような考えを基にディフェンスを指導しているのか、コーチングの具体例や現代バスケットに求められるスキル、個人とチームの守り方などについてお話しいただきました。